・関電、原電、九電、中国電が、旧式の原発の廃炉を申請した。
・いずれの会社も3月上旬に記事が出ていたのに、否定するという情けない態度を取っている。
・極端に安価な費用で廃炉ができると発表しているが、この廃炉費用は1円/kwhとなるように見積もっただけで有り、実際の廃炉費用はこの10倍以上になることはまず確実である。
3月上旬頃に、関電、原電が廃炉を決定したという報道が流れました。
2016年7月時点で運転40年を超える電力会社の老朽原発は全国で7基に上る。関西電力高浜原発1、2号機(福井県)を除く5基は、廃炉について最終決定する方向で調整している。
経済産業省は電力各社に老朽原発の対応計画を3月までに提出するよう求めていた。
2015/03/05 19:30 【共同通信】
おっ、ついに決断したかと思っていましたら、なんと原電は真っ向から否定
平成27年3月6日
日本原子力発電株式会社
敦賀発電所1号機に関する報道について
一部報道機関において、「当社が敦賀発電所1号機の廃炉を、今月下旬に開く取締役会で正式決定する」旨が報じられておりますが、これは当社が公表したものではありません。
敦賀発電所 1 号機については、現在、必要となる対策工事や特別点検等について社内で検討を行っているところであり、現時点で何ら決定したことはありません。以 上
おいおい、どっちが本当かと思ってましたら・・・
毎日新聞 3月17日(火)10時50分配信
<関電・原電>老朽原発廃炉を決定 「40年ルール」初対応
関西電力は17日午前、臨時の取締役会を開き、運転開始から40年を超えた老朽原発の美浜原発1、2号機(福井県美浜町)の廃炉を正式に決定した。関電の八木誠社長は、福井県庁で西川一誠知事と面会し、理解を求めた。日本原子力発電も同日、敦賀原発1号機(同県敦賀市)の廃炉を正式に決め、午後に浜田康男社長が西川知事と会い直接説明する。両社は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を受けて施行された改正原子炉等規制法で原発の運転期間を原則40年とした「40年ルール」に初めて対応した。
もちろん、関電も。
(1/14 14:28) 関西電力 <9503> は14日、同社が美浜原発1、2号機の廃炉に向けた具体的な協議入りを行うとする報道が続いていることについて、改めて「廃炉にする方針を固めた事実はありません」とする否定のコメントを発表した。
美浜原発1、2号機に関しては、年初にNHKを始めとする報道機関が一斉に「関西電力、中国電力 <9504> 、九州電力 <9508> 、日本原子力発電の4社が、2016年7月の時点で稼働40年の運転期限を超える原発5基の廃炉に向けた準備を進めていること判った」とする報道を行っていた。
関西電力ではその上で「美浜発電所1、2号機については、新規制基準への適合のために必要な各種対策の具体的な方法について検討しているところであり、廃炉の検討は行っておりません」と述べて一連の報道内容を否定した。
また、ちょっと面白い電力社内事情の記事も
(前略)
平成27年3月期の連結決算は4期連続の最終赤字となる見通しだ。債務超過が現実味を帯びる九電に、金融機関は「電気料金再値上げ」を融資条件に挙げるようになったという。
しかし、原発再稼働を視野に入れながらの再値上げは、利用者の反発が大きい。経済再生を掲げる政府、経済産業省の理解も得がたい。
社内に亀裂も走り始めた。書類作成が進まない原子力部門への風当たりが強くなり、将来像を社員に示せない経営陣への不満も積み上がる。
九電経営陣は、まさに四面楚歌といえる状況だ。
廃炉を進めるうえで、残された課題の1つが、電力自由化が進んだあと廃炉費用を誰が負担するかという問題です。
・・
国は電力会社が廃炉を決定しやすくするため、これまで一括計上しなければいけなかった巨額の費用を10年にわたって分割計上できるようにしました。
こうしたなかで課題になるのが「電力自由化」後の費用負担の在り方です。
国は来年電力の小売りを自由化し、5年後に電力会社の発電と送配電の部門を分社化する「発送電の分離」を行います。
国は、廃炉の費用を着実に回収するため電気事業者が支払う送電の料金に上乗せする形で廃炉に必要な費用を確保する方針です。
・・
城南信用金庫の吉原毅理事長は「本来、自己責任で、利用者がそのコストを負担するということで言えば、原発事業者がそのコストを負担するべきだ。そうでないと消費者は選択の余地がないので不公正になる」と話しています。
これについて電力会社の経営に詳しい一橋大学大学院の橘川武郎教授は「原発以外の電力を起こしている電力会社から買う需要家が果たして原発の廃炉まで負担するのかという議論は出てくる。ネットワークの作り方にも関わる大きな問題になると思う」と話しています。
では、電力会社は廃炉費用をどの程度と見込んでいるのか。
原発は運転終了後も、放射性物質を施設外に漏らさないよう安全に管理する必要がある。電力会社は原子炉等規制法に基づき、国に廃止措置計画を提出しなければならない。経済産業省によると、廃炉期間は20〜30年で、原発施設の除染、解体、廃棄物の処分などにかかる費用は、小型炉(50万キロワット級)は360億〜490億円、中型炉(80万キロワット級)は440億〜620億円、大型炉(110万キロワット級)は570億〜770億円という。
1-2円/kwh x 80万 x 24 x365 x0.8(稼働率) = 56-112億円
56-12億円 x 40 =224-448億円
1-2円/kwh x 110万 x 24 x365 x0.8(稼働率) = 77-154億円
77億円 x 40 =308-616億円
ね、概算としてはおおよそあうでしょう?原発の発電コストは安いと言うために、最初から廃炉コストは1円/kwhと決められていたのに過ぎないのです。いわゆる、本当に必要な廃炉コストを積み上げていけば、数千億円〜兆円になるのは確実で、それは発電コストに戻せば、20円〜200円/kwh に当たります。それを発電コストから引き当てることは当然不可能で、送配電のコストに含めてしまえとなるのは当然のことです。 一番コストがかからないのは、解体せずに放置なのでしょうが、それでも使用済み燃料の再処理は必要です。
ドイツでは、解体コストを−議論進まぬ原発廃炉 解体コスト不透明(東京新聞:こちら特報部)
「ドイツなどは原子炉1基の廃炉コストを、約2500億円から3500億円程度とみている。政府や電力会社の見積もりでは到底足りない」
電力会社はこのことを十二分に承知しているからこそ、今まで廃炉に踏み込めなかったわけです。このように単純なからくりに目をつぶって原発推進をしてきたニッポン。そのツケを支払うべき時がやってきました。
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