報道ステーション「集団的自衛権で“専守防衛”は直接攻撃なくても武力行使」/古賀茂明さん「安倍さんの目指す“帝国主義の道”の先に、私たちはどういう国を目指してるのか?の議論が必要」
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2015年3月7日 @動画
2015年3月6日に放送された、報道ステーション「集団的自衛権で“専守防衛”は直接攻撃なくても武力行使」を紹介します。
(所要時間:約9分)
2015/3/6【報ステ】古賀茂明降板「 アイアム ノット 安倍でものすごく怒られちゃったんですw」
動画の内容 (古賀茂明氏の解説部分・全文書き起こし)
古賀さん:
安倍政権が始まってからですね、まぁ 最初 「国家安全保障会議」っていうのが出来ましたよね、それから「特定秘密保護法」が出て、まぁ 「武器輸出」をほぼ全面解禁に近いようなかたちで解禁して、まぁ 今はもう「ODAでも軍関係に使えるようにしよう」とかですね、ま どんどんどんどん進んで、今はそれで 今は本丸の「集団的自衛権」の議論を、まぁ 細かく始めてるという感じなんですけれども…。
何かね、いっこ いっこ 出てくるんですね。それで、まぁ それぞれが、非常に難しくて、「言葉の定義の話」になってきますね、常に。だから、何かね、その よく分からない、よく分かんないなって思う人が多いと思うんですよ。
で、気付いてみたら、要するに出来ないと言ってた事が、「出来ないのが出来る」「出来ないのが出来る」「出来ないのが出来る」っていう風にですね、ず〜っといっこいっこ、まぁ「1から20あれば、1から今10ぐらいまで来ました」そういう感じで、まぁ この先ず〜っと行って、「憲法改正」もあるし、本当はもっとその先まであるかもしれないな…という事。
だけど、その 先 に、「私たちはどういう国を目指してるのかな?」っていう、そこの議論が、あんまり無いと思うんですね。だからその、すごく不思議な あの 感じがするんですけれども、そこが、実はその 何でしょう、「もう変わっちゃってるんじゃないか」と、日本は という国が。そういう話があって、あの〜 ある総理経験者の奥様が、こういう事をおっしゃってたっていうんですけども。
まぁ 中東のですね、大使館の大使のご夫人とかとお話をしてて、「いやぁ日本はとっても良い国だったのにね…」と、いう会話があるらしいんですよ。で、「良い国だった」っていうのは、日本っていうのは世界有数のね、経済的繁栄を誇ってるし、もう何でも欲しい物はあるし、それから非常に高いね 文化的レベルっていうのがあるし、それから、あの ヨーロッパやアメリカと違って、あの イスラムとかアラブ人に対する偏見がですね、まぁ 非常に少ないと。で、住んでて非常に気持ち良いし、で、何よりも安全で、もうテロなんか全然心配しなくていいと、いう国で、で 一方、もちろんヨーロッパやアメリカも素晴らしい国なんですけれども、やっぱりあの 中東の方々が住んでて、「テロが怖い」とかですね、あるいは「差別がある」とかですね、そういう色んな事を感じながら、やっぱり「日本にいるってラッキーね」と、いう感じがあったらしいんですが、ところが、それが「だった」になった。
で、それは あの やっぱり そういう人たちから見て「日本ていうのが変わってますよ」と。で それは、何でそういう事が起きたか?っていうと、やっぱり あの 安倍総理がですね、その エジプトでですね、『ISIL(アイシル)と戦う周辺各国に2億ドル支援』というあの言葉から始まってですね、その後 とにかく、外から見ていると、日本は 「あ、アメリカと一緒なんだ」と、「アメリカと一緒に世界に出てくるんだ」と、「アメリカと一緒に戦争するんだ」というイメージばかりが こう 伝わって来るって言うんですね。
そうすると、非常に心配になってくるのが、「日本はもうアメリカと同じなんだ」っていう風に思われちゃって、てことは「アメリカの敵が日本の敵になっていく」と。で、日本ていうのはテロに まぁ あまり慣れてない国ですから、アメリカはまぁテロに慣れてますけれども、そういう意味だと、「えぇ… 日本て実は 一番危ない国になっちゃうんじゃないの?」と、いうことで まぁ その あの 国の大使館の中には「警戒レベルを上げてる」とか、いうような話も出てきてるっていう事で…。
じゃあ世界はそういう風に見てるのかな?と、いま非常に心配なんですね。そういう話をたくさん聞くんですけれども、じゃあ、一体私たちは、それを目指してるのか?、でも全然違う国を目指してるか?っていう、そこの議論が無いじゃないですか。
古館キャスター:
うん。で、ひとつひとつの、非常に難しい えー ディテールが、どんどん どんどん 積上げられていくという印象ですね。
古賀さん:
そうですね。で、その中でですね、じゃあ安倍さんはどういう国を目指してるのかなっていう風に、まぁ 色々 今ね、どんどんどんどん政策が矢継ぎ早に出てますけども、それを見たときにですね、ちょっと あの、こないだの、おー、(※2015年)2月12日のですね、「施政方針演説」で、安倍さんがこういう事を語ったんだよっていうのが(フリップを出しながら)、これ非常に良い事を書いてあるんです、ここには。
まぁ 『日本は小さい国かもしれなけど、国民みんなが心を一つにして、国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない。』と、これは岩倉具視(いわくらともみ)、明治時代の話ですね、に、言った言葉です。
で、これ見ると、「あっ そうだな、おれ達も頑張らなくちゃいけない」ってみんな思うかもしれない。
で、『明治の日本人に出来て、今の日本人に出来ない訳はありません。』だからみんなで頑張りましょうよ、という、で まぁ あの なるほどなっていう感じがするんですが、実は、この前にですね、安倍さんの言葉でこういうのが入ってまして、
『明治国家の礎を築いた岩倉具視は、近代化が進んだ欧米列強の姿を目の当たりにした後、このように述べています。』と、いうことなんですね。
こういう風につながっているんですけれども。
っていう事はですね、明治時代に、その まぁ 富国強兵・殖産興業で、欧米を見てですね、夢見て、ああいう列強になるんだと、あの 帝国主義のですね、ものすごい争いの中に自分たちも入っていける、強い国になるんだと、それを夢見て心を合わせてやってたと、あの時代は素晴らしかったじゃないかと、あれを思い出そうよっていうのが、僕はあの、安倍さんの呼びかけなのかなっていう風に理解したんです。
ですから、いや そういう風に考えたら、その あの 怖いなという風に思ったんですけれども、もちろん、そういう国をね、目指したいという人もいるのかもしれないですね。ですけど、私は、日本人の大半がですね、そういう事を望んでいるという風には思えなくて、やっぱり、国民に もしね 「心一つに頑張ろう」って呼びかけるのであれば、もっと違う時期があったと思うんですよ。
まぁ 敗戦の廃墟の中から、もうね「飢え死にするぞ」っていうぐらい苦しい中から、国民が本当に心を一つにして、ず〜っと頑張ってきた。そしたら、気が付いてみたら もう 日本っていうのは世界でも有数の経済大国、まぁ大国が良いわけじゃないんですけれども、もう国民の生活が非常に豊かになりましたよね。で、それは素晴らしい。しかも、やっぱり、これが一番凄いんですけれども、70年間、一回も戦争しないで、しかも、その世界で1回も もちろん「人を殺した事がない」と。
で、これだけの大国でですね、そんな国ないですね。アメリカはもちろん年中やってますけれども、イギリスだってフランスだって、あちこちで戦争してます。で、そういう その「大国の中に日本も入れてくれ」と、いう事を、まぁ 安倍さんはやりたいのかな?っていう風に見えちゃうんですね。
で、でも そういう風に考えると、「あ、確かに今やってる事は全部必要だよね」と、イギリスと同じようになりたいんだったら必要だよね、という風に まぁ 思えるので…。で、やっぱり そこをねぇ、ちゃんと こう 議論して欲しいなと いう風に まぁ 思うんですね。
まぁ またこういう事を言うと、んー なんか あの 官邸とかそういうとこから あのー 色々怒られちゃったりして、ご迷惑がかかったりするのかなと、思うんですけれども、やっぱり、日本が目指すべき道は、安倍さんのように列強を目指す道なのか、それとも、いやいや そうじゃない、今までやってきた日本の平和大国としてのね、僕は平和大国と言えば良いと思うんですけれども、平和大国としての歩みを、そこに誇りを持って、むしろそれを「もっともっと強化して行くんだ」と いう道を選ぶのか、まぁその間もあるかもしれないですけれども、そこをちゃんと議論して欲しいなぁと。
ですから、「安倍さんの道が良い」と、いう人は “I am Abe” ですと、だけども「全然違いますよ、平和大国を目指すんですよ」という人は、僕は まぁ こないだも言って もの凄く まぁ 怒られちゃったんですけども、“I am not Abe(私は安倍じゃない)”という事を、世界に発信しないと。
世界は、もう、安倍さんを見てるわけです。で、アメリカと一緒になるんだと、いう風に思ってるんで、僕は、今、もうちょっと手遅れに近いのかもしれないですけれども、そのイメージを まぁ 崩すのは簡単なんですけれども、もう一回戻したいなと、いう風に まぁ 思ってるんですね。そういう事を、まぁ みなさんで議論して欲しいなと、いう風に思います。