「きちんと問題を報じているのは地方紙と海外メディアだけというのは異常。:山崎 雅弘氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/16758.html
2015/3/2 晴耕雨読
https://twitter.com/mas__yamazaki
ロシアのRTも、東京電力(TEPCO)が汚染水の海洋への流出を10か月も隠していたことに、福島の漁業関係者が「大きなショックを受けた」と報じている。http://bit.ly/1ETNTaB
日本政府と東電の福島原発事故に関する情報公開は、海外ではもう誰からも信用されない。
朝日新聞サイトで「汚染水」で検索すると「汚染水流出、公表すべきと『思わなかった』 東電」「汚染水、公表すべきと思わず」「経産相『少しうかつだった』」など、東電と政府の「釈明をそのまま載せただけ」の記事がいくつか出てくる。
やる気がない。
朝日新聞サイトの今のトップページ。
「トピックス」は「ウィリアム王子初来日、イスラム国、大塚家具、辺野古埋め立て、戦後70年、キャンプの素顔」で、汚染水の問題は下の見出し一覧にも出てこない。
日本の報道の自由度ランキングは、さらに下がる。
菅義偉官房長官「汚染水の影響は完全にブロックされている。状況はコントロールされている」
田中俊一原子力規制委員会委員長「排水溝は雨水などがあり、コントロールできない。(規制委に)責任問題はまったくない」(東京)http://bit.ly/1wtCiQi
戦争末期の戦況報告に近い。
東京新聞が指摘しているように、この件は「10か月前に単発で発生し収束した出来事」ではなく「現在も外洋への汚染は続いている」という現在進行中の重要な問題のはずだが、きちんと問題を報じているのは地方紙と海外メディアだけというのは異常。
大手紙の社員は、当座の高給保持しか興味がないのか。
中谷元防衛相は、現在の防衛省設置法に同省内部部局(内局)の背広組(文官)が制服組自衛官より優位を保つと解釈される「文官統制」の規定が盛り込まれた理由について戦時中の軍部暴走の反省からかと問われ「そういうふうには思わない」と述べた(東京)http://bit.ly/1JTmnRb
「中谷氏は(文民統制が導入された)理由や経緯について重ねて尋ねられると『私はその後生まれたので、当時どういう趣旨だったのかは分からない』と述べた。中谷氏は防衛大学校卒で、陸上自衛隊出身」
防衛大学校や自衛隊幹部学校では「文民統制が導入された理由や経緯」を教えていないのか?
日本で「文民統制が導入された理由や経緯」について「私は何も知らない」と堂々と居直る「元自衛隊制服組」が、防衛大臣の椅子に座っている。
ツイッターで今までに何度か「タガが外れている」「ブレーキが壊れている」と書いたが、この件の「タガの外れ具合」は特にひどい。
政府が壊れている。
戦後70年: 今も続いている国民への忍耐押しつけ ドナルド・キーンさんインタビュー(毎日)http://bit.ly/17CYmMx
「政府と軍部は都合良く、日本人の美徳である我慢強さを利用しました」
「国民は理不尽に忍耐を押し付けられてはいないでしょうか」
日本国憲法は「戦勝国の押し付け」だという言説は、首相自身もその周辺も盛んに口にする常套句だが、その日本国憲法が公布される以前、日本国民はどれだけ多くの理不尽な奉仕や犠牲を「国家」から「押し付け」られてきたか。
それによって、どれほど多くの日本人や外国人が死んだか。
それを忘れたのか。
「戦勝国の押し付け」憲法と引き換えに、政府の失敗を尻ぬぐいするための理不尽な奉仕や犠牲という「国家」からの「押し付け」から解放されたのなら、私はそちらの方がはるかに「マシ」だと思う。
理不尽な奉仕や犠牲という「国家」からの「押し付け」をまた強いられる時代に戻したいとは全然思わない。
自分はたっぷりと戦後日本の「自由」や「民主主義」の恩恵を受けて、面白おかしい人生を送っておきながら、後の世代には「それとは逆の社会」を残して死んでいくというのは、犯罪的と言っても過言ではないと思う。
今を生きる「大人」は、一人の「大人」として、後の世代のことも考えなくてはならない。