世界の投機マネー流入で株価4万円「日本株バブル」到来の可能性
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150222-00000003-pseven-bus_all
SAPIO2015年3月号
逆石油ショックからスイスフラン急騰まで、世界市場が乱高下の荒波に晒されている。その中で、世界の投機マネーが流れ込み、日本株にバブルが到来する可能性が囁かれている。元外務官僚で原田武夫国際戦略情報研究所代表の原田武夫氏が解説する。
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これまで原油の価格が急激な下落傾向にありました。これについて、イスラム国の台頭やロシア経済への制裁と関連づけて解説する傾向がありますが、実は、金にせよ、原油にせよ、現代のこうした取引相場は、実需や地政学リスクだけでは説明不可です。
米欧を中心とした機関投資家たちは、市場の歪みを見つけ、相場を乱高下させるなかで、利ざやを稼いでいる。その取引に原油や金が利用されてきたというだけの話です。金は昨年11月の段階で底を打つ一方、その次の標的が原油でした。
世界の投機マネーは、原油の次に向けて動き始めています。投機マネーは常に、「いま急激に儲けられるもの」を探して動きまわっているのです。
そのマネーは次にどこへ行くのか。私はそれを日本株であると考えています。今年3月頃から2017年くらいにかけて、?日本株バブル?が本格的に到来する可能性があるのです。
世界の投機マネーが、今からアメリカ株に向かうような状況は考えられない。中東情勢をはじめアメリカの外交政策は手詰まりを迎えているからです。
先日、仏新聞社がイスラム過激派に襲撃される事件があり、その追悼のために世界の首脳がパリに集まりましたが、オバマ大統領は結局行かなかった。アメリカは、孤立主義にすら回帰し始めています。そんな国に投資先としての魅力はない。
EUにしても、現在のユーロ体制つまりはギリシャのような財政破綻国家を抱える限り、赤字を垂れ流し続ける道を選択するしかない。スイスは自国通貨の急騰もやむなしとして、対ユーロ相場への上限を撤廃しましたが、これは現行のユーロの次を見越してのものでしょう。
その点、日本株はよくも悪くも世界経済の流れに出遅れている感があり、手垢がついていない。
大きいのが、人質事件こそ起こりましたが、世界の先進国の中では例外的に、イスラム・テロのリスクが相対的には未だ低いことです。
さらに日本では、政府の意図によって引き続き官製バブルが引き起こされます。消費税のさらなる2%増税は2017年4月まで延期されました。これによって政府の税収は意図せぬ減収となり、当座の資金として8兆円ほどのお金を、調達してこないといけなくなりました。
その方法として一番現実的なのは、政府保有資産の売却でしょう。政府の保有する東電株の全売却は、すぐそこに見えている道の一つだと思います。 また今秋には日本郵政の上場というイベントも予定されています。
これらが引き金となって、今年中に日経平均株価が2万円以上になるのも、夢物語ではない。それはさらなるマネーの流入を呼び、日本株バブルが到来するでしょう。その上限はかつてないもので、株価4万円時代が訪れても何ら不思議ではありません。