【2月13日 AFP】世界報道写真財団(World Press Photo)主催の報道写真コンテストの結果が12日に発表され、優しく抱擁し合うロシアの同性愛カップルを写した1枚が大賞を受賞した。
露サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)の殺風景な部屋で、茶色いカーテンだけを背景に撮影された「ジョンとアレックス(Jon and Alex)」と題する刺激的な写真で最高賞を受賞したのは、デンマーク人カメラマンのメス・ニセン(Mads Nissen)氏。
ロシアでは今年1月から、異性装者やトランスセクシュアルに車の運転を禁じる法律が施行されたことに伴い、ゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーの人々を標的にした暴力が増加している。13年にはウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、いわゆる反同性愛法に署名している。
ニセン氏の受賞写真は「ロシアの同性愛嫌悪(Homophobia in Russia)」と題した、同氏が取り組む大規模なプロジェクトの一環として撮影された。この写真は「現代社会の問題」部門でも1位を獲得した。
■AFPカメラマン「スポットニュース」で1、3位同時受賞
一方、トルコのイスタンブール(Istanbul)を拠点に活動するフランス通信(AFP)のカメラマン、ビュレント・クルチ(Bulent Kilic)氏がトルコとシリアで撮影した強烈な印象の写真2枚が、「スポットニュース」の単写真部門で1位と3位を同時に受賞した。
1位を獲得した写真は、昨年イスタンブールで発生した群衆と警官隊の衝突で負傷したずぶ濡れの少女を捉えたもの。この衝突は、反政府デモで怪我を負い、それが原因で死亡した15歳の少年の葬儀の後に起きた。
同カメラマンの2枚目の写真は、2014年10月に撮影されたもので、シリアの山頂にいたイスラム過激派「イスラム国(Islamic State、IS)」の戦闘員に対し、空爆が行われた瞬間を捉えている。(c)AFP/Maude BRULARD
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