メディアが局地集中的に偏ったニュースを取り上げるおかげで、どうも世界の中でイスラム国を中心としたイスラム教テロリストばかりが拉致・襲撃・首狩り・脅迫・大量殺人・・・・・を繰り返しているような印象が否めない。
彼らが自由世界にもたらした血と恐怖による復讐劇は確かに歴史に残るような凄惨な事件の連続である。イスラム教徒というだけで、アラブ語やペルシャ語などを話すというだけで、もはや我々は自動的にテラーを連想してしまうといっても過言ではない。
しかし、世界を視野に入れると、イスラム国などよりよっぽど過激で無法なテロ活動に溢れた地域がある。メキシコだ。メキシコでは年間1万人が麻薬組織による争いに巻き込まれて死亡するのである。100人じゃない。1000人でもない。1万人だ。そして麻薬組織に不利な記事を書いたジャーナリストが次々と処刑され、不利な政策に取り組む政治家がやはり各所でヒットマンの銃弾に倒れるのである。宗教的な信念もなければ、民族的な道義もない、ただ金と欲をめぐる抗争が国家を無秩序(ケアス)の非常期に沈めてしまったのである。
メキシコでは、麻薬カルテルがビジネスを狙って脅迫状を送ってくる。ミカジメ料をよこせ、というわけである。言うことをきかない場合はどうなるか?業務妨害をして商売にダメージを与える?そんな平和的な制裁はくだらない。カルテルは即刻で社員の拉致・殺害を行い、見せしめにちょんぎった首をお供えにくるのである。そんなことが日常茶飯事化しているメキシコでは被害者の墓が立たない状況である。 シリアのように自分達のテリトリーに侵入してきた敵国の人間をひっとらえてビデオで命乞いをさせるなんていう和やかなレベルではないのである。まさに地獄だ。そしてアメリカ市民までがとうとう犠牲になる時代が訪れた。
中米にせよ中近東にせよ、もともとゲリラ部隊に武器渡して共産勢力と闘わせる仕組を作ったのはアメリカのCIAだから、そのツケが今でもこういう形で返ってくる、テロリストにさせられた現地の住民に罪はない、などという奇天烈な説を信じているウスノロな人間がいる。彼らはアングロサクソンが天下をとる前はイスラム、それに続くヒスパニックがヨーロッパを牛耳っていたという歴史を忘れきっているのではないだろうか。アメリカが全てを動かし支配するなんていう幻想はせいぜいここ30年くらいで出てきた物語にしかすぎない。
映画『ボーリング・フォー・コロンバイン』で田舎者マイケル・ムーアが高校生テロについて「クリントン政権がバルカンで不条理な空爆をしているから、国民までが暴力的行動を起こすのだ」などと結論づけていたのに近い能天気である。高校生はホワイトハウスの人間より何十倍も暴力的で破壊的なものなのだという現実を見失っているのだ。
それどころか、リチャード・コシミズやコシミズに追従する阿修羅カルトの非常識な参加者は、ニュースで流れる殺人狂ジハード戦士すら、アメリカの指示によって演出通りに動く俳優だと決めつけているようである。無論証拠はない。メキシコの麻薬戦争についても、おそらくこのバカどもは「現代のアヘン戦争で、カルテルを使って政府と喧嘩させてはメキシコをずたずたにして支配しようとしている」などと言い出すのだろう。
全てはアメリカの陰謀。ユダヤ人がいっぱい住んでいるアメリカとイスラエルを中心とした悪魔の計画だ。そのお題目があれば、新聞を読まなくても引きこもっているままでも、すべてが切って捨てれるという怠惰な思い込みを持つのがこの人たちである。無論アメリカのおかげで自分達の自由が守られているということに感謝するどころか、気付くことさえない愚かな糞豚どもは先頭のコシミズにならえ、で中国様の奴隷に志願しては赤旗をふりまわすと相場がきまっている。
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