(今夜のN9)
≪イスラム国、広がる”忠誠”の動き≫
27日、リビア、トリポリの高級ホテルへのイスラム過激派の襲撃では、外国人を含む9人が殺害された。ホテルの近くでも爆弾を積んだ車が爆発した。犯行を認める声明を出したのは、イスラム国に忠誠を誓う地元の過激派組織であった。この他、イスラム国を支持する動きはアフリカ、アジアの一部の過激派組織のも広がっている。
シリアの要衝アイン・アラブではイスラム国が激しい攻防戦の末、撤退に追い込まれた。これに対しイスラム国は、世界各地での攻撃を改めて呼びかけた。
イスラム国の声明「敵に対して完全な準備をせよ。団結して緩むな」
各地で相次ぐイスラム国への支持。戦闘員としてイラクやシリアに発つ若者も後を絶たない。
別府「極めて深刻な問題だと思う。トルコの南部で取材をしていたが、戦闘員をシリア側に送る仲介業者は、外国からシリアを経てイスラム国に入る戦闘員が昨年は多かったが、最近はシリアからトルコを経て自国に戻る動きが目立つようになってきたと証言していた」。
高岡豊(中東調査会・上席研究員)「現状では、昨年絶縁したイスラム国とアルカイダの間に、威信・名声、ヒト・カネ・モノの奪い合いが生じている可能性の方が高いと思う。今回の事件でイスラム国が広報効果を上げ、求心力を強めたとしても、既存の各地の過激派が、そう簡単にイスラム国に服するとは思われない。ただイスラム国自身がどんどん戦果を上げている状態だから、既存の団体から離脱したり本来は既存の団体にまわるはずだった人材がイスラム国を選ぶということは考えられる」
「イスラム国を取り巻く環境としては、空爆の効果もありかつての破竹の勢いはなくなっている。さらに昨日の段階でイスラム国は、活動地域の東と西で敗退を喫したということもあるので、客観的な情勢はイスラム国にとって厳しいと思う。その一方でイスラム国が今後も、威信・名声を獲得し続ける、あるいは自分たちの広報効果を最大化しようとする場合、最も効果のある攻撃対象は先進国に属する権益や人間を攻撃するということが考えられるので、イスラム国としてはこのような発想をより純化していくような行動をとっていくのではないか」
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