http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201501160001/
2015.01.16
イギリスのデイリー・メール紙http://www.dailymail.co.uk/news/article-1106382/Europe-plunged-energy-crisis-Russia-cuts-gas-supply-Ukraine.htmlはロシアがウクライナを経由した天然ガスの供給をカットしたと1月15日に伝えた。ウクライナの天然ガス会社、ナフトガスのバレンチン・ゼムリヤンスキーの話として、24時間で2億2100万立方メートル(年換算で807億立方メートル)の取り決めであるにもかかわらず、9200万立方メートル(同336億立方メートル)、つまり58.4%がカットされたと伝えた。
これだけ供給量が減れば、EUは大変な騒動になるはずだが、そうした情報は入っていない。トルコ経由(ブルー・ストリーム)で輸送する能力は160億立方メートルのようなので、このパイプラインで迂回させているいうことは考えられない。他のメディアもカットしたとする情報を伝えていないので、どうやら、英紙の報道は間違っていた、あるいは嘘だったようだ。
しかし、ロシアがウクライナ経由の供給を止め、トルコ経由に切り替えようとしているhttp://www.bloomberg.com/news/2015-01-14/russia-to-shift-ukraine-gas-transit-to-turkey-as-eu-cries-foul.htmlことは確か。今後、年間630億立方メートルを供給できる態勢を整え、全面的にトルコ経由で供給しようとしている。トルコ経由でEUが天然ガスを手に入れるためにはEU側でもパイプラインの建設を始める必要があり、対応しないなら別の買い手、例えば中国へ振り向けると通告済みのようだ。
原油相場も大きくは動いていないが、これは現物取引とは別の問題。金相場でも言えることだが、投機市場が肥大化し、実際の需給とは関係なり力学で相場は動いている。いわゆるペーパー・ゴールド、ペーパー・オイルの取り引きで決まっているということだ。この投機市場は一部の金融機関やヘッジファンドによって支配され、しかもNSAの操作もあると言われている。
1973年に原油価格が急騰した理由は第4次中東戦争にあると言われているが、サウジアラビアで石油鉱物資源相を務めたシェイク・ヤマニによると、この年の5月にスウェーデンで開かれた秘密会議で、アメリカとイギリスの代表が400%の原油値上げを要求した結果http://www.theguardian.com/business/2001/jan/14/globalrecession.oilandpetrolだという。値上げに反対していたサウジアラビア国王に対し、イラン国王はヘンリー・キッシンジャーの意思だと説明したという。
この秘密会議を開催したのはビルダーバーグ・グループ。創設者はオランダ女王の夫、ベルンハルト殿下とジョセフ・レッティンガーで、ヨーロッパを統一して米英が支配する仕組みを作るためにアレン・ダレスやウィンストン・チャーチルらが創設したACUEの下部機関とされている。第1回目の会議がオランダのビルダーバーグ・ホテルで開かれたことから、この名前になった。
ビルダーバーグ・グループは毎年、会議を開いている。2012年にはアメリカのバージニア州で開催され、ロシアの体制転覆について話し合ったと言われている。つまり、目障りなウラジミル・プーチンを排除し、ボリス・エリツィンのような傀儡を大統領に据えようとしたわけだ。そして2013年9月、ヤルタで開かれた国際会議でも同じ問題が話し合われ、11月にウクライナのキエフで反政府活動が始まった。
2014年2月6日から23日までロシアのソチでオリンピック競技が行われた。この間、ロシア政府は動きにくいわけだが、キエフではネオ・ナチが前面に出てきて棍棒、ナイフ、チェーンなどを片手に持ちながら石や火炎瓶を投げ、ピストルやライフルを撃ち始めたのはこのタイミング。憲法の規定を無視してビクトル・ヤヌコビッチ大統領の解任が強行されたのはオリンピックが閉幕してロシアが動きやすくなる前日のことだ。夏になると石油価格が急落、9月には紅海の近くでアメリカのジョン・ケリー国務長官とサウジアラビアのアブドラ国王が秘密裏に会談、下落のピッチはあがった。
石油も相場は現物でなく先物などペーパー上で行われる取り引きが圧倒的。サウジアラビアが減産しないことは事実のようだが、実際の生産量を減らしてもウォール街が相場を下げようと思えば下がる。この相場下落でサウジアラビアも打撃を受けているはずで、ケリー長官がサウジアラビア国王と会ったのは事情を説明するためだった可能性もあるだろう。
1970年代からイギリス経済を支えてきた北海油田、アメリカで推進されているシェール・ガスやシェール・オイルがダメージを受けているが、アメリカの支配層(ネオコン/シオニスト)はロシアを攻撃することしか念頭にないように見える。
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/800.html