石見銀山の坑内(大田市提供)
島根県大田市 「住みやすさナンバーワン」に選ばれたワケ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/156299
2015年1月10日 日刊ゲンダイ
島根県大田市が「住みたい田舎」の1位になって注目されている。月刊誌「田舎暮らしの本」(宝島社)が全国295の市町村に調査票を送って自己申告してもらったもの。「移住者の歓迎度」や「自然の豊かさ」「災害リスク」など10分野、95点満点の質問を総計したところ、大田市は73点でトップに輝いた。2位は鳥取市、3位は同点で大分県豊後高田市と鹿児島県薩摩川内市だった。
大田市の人口はこのところ毎年500人ずつ減少し、現在は3万7000人。市では2008年から地元出身のUターン者や、都会などから移住するIターン者を受け入れる活動を始めた。その結果、「U・Iターン者」は2012年度が190人、13年度が205人と右肩上がりで増えている。8割が40代以下で、その半分が30代だ。
■石見銀山と「つや姫」
日本一に選ばれたのは、それなりの理由があるらしい。
「当市には市立の総合病院があり、ドクターヘリも用意しています。中学生まで医療費が無料ですし、大型ショッピングセンターもある。市内には世界遺産の石見銀山のほか、江戸から明治の古い町並みを残した大森地区と温泉津地区など観光名所も好評です。海に面しているのでノドグロやイカ、アジなど魚もおいしい。名産のお米『つや姫』はテレビでも紹介されました。地震は少なく、揺れてもせいぜい震度2程度。殺人事件? 聞いたこともありません」(同市定住推進室長の佐野史朗氏)
家屋を購入した人には20万円、賃貸の人には10万円の助成金を出し、このほかに改修費用として30万円を用意。農業を目指す人には島根県が1年間にわたって毎月12万円の助成金を支給する至れり尽くせりぶり。
県民性に詳しい「ナンバーワン戦略研究所」代表の矢野新一氏が言う。
「島根県は生真面目な人が多く、大田市は昔から気さくな性格が特徴なので、隣近所の人が仲良くしてくれるはずです。鳥取県はやや内向的で気難しいものの、それほど悪人はいません。豊後高田市がある大分県は九州男児とはいえ、他人と衝突しない性格。一村一品運動の影響で物価が安いのが特徴です」
定年後に住んでみますか。
■「住みたい田舎」ベストランキング
1位 大田市(島根)………73点
2位 鳥取市(鳥取)………72点
3位 豊後高田市(大分)…69点
4位 薩摩川内市(鹿児島)69点
5位 武雄市(佐賀)………67点
6位 竹田市(大分)………66点
7位 南砺市(富山)………65点
7位 伊那市(長野)………65点
7位 郡上市(岐阜)………65点
7位 倉吉市(鳥取)………65点