「政府の「手法」は、日本国民を「どんな人間」だと見積もっているかを明瞭に示している。:山崎 雅弘氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/16159.html
2014/12/23 晴耕雨読
https://twitter.com/mas__yamazaki
伊フィレンツェで地震頻発、「ダビデ像」損傷の恐れで緊急対策(AFP)http://bit.ly/1ANywOY
日本でも、最近大きな地震や火山の噴火が以前より増えているような気がする。
地面の下の動きが活発化している。
だが何事も無いかのように、原発の再稼働は粛々と進められている。
経済産業省が、原発が立地する自治体を対象とする電源3法交付金について、原発が再稼働した自治体に重点的に配分する方向で検討していることが22日、分かった(沖縄タイムス)http://bit.ly/1sZ6u41
「再稼働に事実上必要な立地自治体の同意が得やすくなる効果が見込まれる」沖縄振興費減額も=普天間転換促す構え 安倍政権(時事)http://bit.ly/1E0V04z
「菅義偉官房長官『(翁長雄志知事と)会う予定はない』」
「政府関係者は沖縄振興費について『(14年度からの)減額もあり得る』」
「首相は(沖縄の国家戦略特区の)指定見直しも検討する構え」
沖縄と原発立地自治体への政府の「手法」は、首相周辺が現在の日本国民を「どんな人間」だと見積もっているかを明瞭に示している。
「当座のカネに転ぶ人間が多い」と認識している。
ニュース番組も、タクシーや旅館の当座の景気が良くなるから原発再稼働賛成、という「街の声」を当たり前のように流す。
今「当座のカネ」に転んだら、将来どんな「代償」を支払わされるか。
福島の原発周辺地域から日本各地へ避難して帰宅できず、家業の農業や酪農の仕事も強制的に放棄させられた人々を見れば、容易に想像できるはずだが、思考の焦点深度を自ら狭めて、過去も未来も視野から外して「今、当座」だけを見る。
福島で原発事故が起こる前の日本でも、「当座のカネ」に転んで原発を誘致する自治体や地元住民は大勢いた。
事故は起きない、起きるはずがないという暗黙の前提は、福島の深刻事故で根底から崩壊しているが、あれだけの被害が生じてもなお、その架空の前提にしがみつく。
過去から学ぶという発想が無い。
事故や失敗は、できれば無いに越したことはないが、起こってしまった時にそこからどれだけ多くの物事を学べるかで、個人や集団の資質が問われる。
面子や当座の利益に固執して、学ぶ代わりに「目を背ける」道を選べば、将来さらに大きな事故や失敗を招く結果になることは、古今東西の歴史が教えている。
日本の隣国ヘイト言論を批判するたびに「相手国も反日のヘイト言論している」というリアクションが来るが、相手国を見下して「こんなに酷い国・国民だ」と貶しつつ、自分の非を「相手国の非」で相対化する思考がわからない。
前者と後者を論理的に繋げれば、自国をも誹謗していることに気づいていない。
強靱な「日本人の誇り」を持つ人なら、他国のごく一部の人間が行う皮相的な「反日ヘイト言論」程度では自尊心も誇りも微動だにしないし、子どもの口げんかレベルでの「言い返し」もしない。
「反日ヘイト言論」に全く与しない日本に好意的な他国人を、巻き添えにしていじめるような愚かな真似もしない。
多くの人が現地で確認して報告されているように、中国や韓国の大きな書店で「反日本が山積み」という状況はない。
相手国の「極端な端」を「全体」と錯覚して相手と同じことをやっているつもりで、実は日本だけが「異常な領域」に入っている。
現実を認識しないままで暴走すれば、また大失敗を繰り返す。
戦うのが好き、あるいは戦うことを自尊心の拠り所にする人間の占める割合が、国の中で大きくなるほど、いったん始まった紛争や戦争は終わらせるのが難しくなる。
そういう人間と、戦いを望まない人間が国内で戦っても、割合が同じなら前者が勝つ。
一度そうした構図が出来てしまえば、容易には崩せない。
憎悪と殺意の往復運動が車のエンジンのように続く国の人が、憎悪の言葉や考え方を「商品」として売買する国、国民がそれをストレス解消の娯楽として「消費」する国を見て、どんな感想を漏らすだろう。
後者は、前者の国へと続く道を走っているが、商品を売る人間にも喜んで買う人間にもその自覚はない。