04.の7bbrHEGJMUさん、コメントありがとうございます。
「現地法人創っても、不動産投資しても直接投資」として分類されます。
対外直接投資は、経済活動拠点を国内に置いている法人ないし個人が、利子や配当さらには差益を目的に国債や株式などを購入する(間接投資)のではなく、自らが支配的に活用する資産や株式を国外で手に入れることです。
(国外企業について株式や出資比率が10%以上であることや緊密な取引関係がある企業への貸し付けなど外形的基準があります)
国際受取所得は、そのような投資の果実として得るもので、株式配当や受取利息そして雇用者報酬というかたちになります。
「貿易赤字、黒字は、家計的なダイレクトなものだよね?」という質問は、国際所得収支がいくら黒字であっても、企業経営者や企業家に関係するもので、家計には関係がないのでは?という趣旨として受け止めました。
確かに、国際所得の受取は国外での経済活動成果の分け前と言えますから、その国の人々の雇用が増えるだけで、国内で雇用=勤労所得が増えるわけではないという見方もできます。
しかし、国際所得の受取増加そのものではなく、国際所得が増加していく過程を考えると、国内の家計にも直接的な影響を与えている可能性があります。
一つは、対外直接投資として行われる生産活動や販売活動に必要なモノが日本で生産され、外国での事業拡大が国内の生産活動や雇用を活発化させる可能性があります。
もう一つは、対外直接投資で現地の人々を雇用することでその国全体の可処分所得が増加し、それまで手が出なかった日本の製品が購入できる人が増える可能性があります。
最初の可能性は、企業内のトランスボーダー取引なので高い比率で国内生産のものが使われると推測できますが、直接投資先の国内購買力が高まった成果を日本の果実として手にできるかどうかは日本企業の営業力次第ということになります。
具体的な例をあげると、扇風機などは新興国で生産し、それを日本も輸入する一方、日本で生産する高機能エアコンを新興国に輸出するという国際分業です。扇風機をつくる人々の雇用を増やすことで、日本製バイクの需要が高まることも考えられます。
※ 貿易収支が家計にダイレクトか?
貿易収支の赤字や黒字は、輸出から輸入を差し引いた結果がプラスかマイナスかという問題ですから、それ自体は家計にダイレクトというわけでありません。
売れないモノやマージンがとれないモノは輸入されないものですから、輸入したモノも、国内で生産活動に使われるか国内の消費者に購入されることを通じて、付加価値を生み出しています。
貿易収支がマイナス(赤字)の場合、国際決済手段(ハードカレンシー)があるかないかが問題になります。日本も戦後のある時期70年頃まではドル保有額が経済活動に大きな影響を与える状況だったので、ドルの借り入れが消磁することになる貿易収支の赤字はけっこうシビアにコントロールされていました。
日本の産業が国際交易のなかで確固たる地域を築いた70年代後半以降は、円がドルに次ぐ国際通貨というポジションを獲得したので、国際決済手段の欠如を心配する必要はなくなりました
「家計的なダイレクトなもの」と言えるのは、貿易収支の赤字・黒字ではなく、輸出額の増減だと思います。
輸出が増加すれば、雇用が増えるか、雇用者報酬が増えることで家計が暖かくなります。