http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NG96946TTDS601.html
12月8日(ブルームバーグ):
相場の勢いを示すモメンタム指標は、円が対ドルで売られ過ぎの状態にある期間が変動相場制に移行した1973年以降で最長となっていることを示している。それにもかかわらず、円は7年ぶりの安値を連日更新している。
円の対ドル相場の相対力指数(RSI、14日ベース)は、日本銀行が予想外の追加緩和に踏み切った10月末以降、一般的に円売りが行き過ぎていると判断される30を下回っている。先週末には17と9月以来の水準まで低下。10月末に1ドル=112円台だった円は、先週末に米雇用統計が市場予想を上回ったことを受け、2007年7月以来となる121円台に突入し、週明け8日の東京市場では一時121円85銭まで円安が進んだ。
また、短期と長期の移動平均線の乖離(かいり)から相場の転換点などを探るMACD(移動平均収束拡散法)は、先月27日にその移動平均であるシグナルラインと交差し、円買いサインが点灯した。しかし、円安は止まらず、先週末には10月下旬以来の円売りサインが点灯した。
ウエストパック銀行の市場ストラテジスト、イムリー・スパイザー氏(オークランド在勤)は「複数日から複数カ月のトレンドは明確で、その理由も明らかだ」と指摘。「QE(量的緩和)の規模を考えると円は弱いはずだ」とし、RSIが長期にわたって低水準にあることは、円安トレンドが「非常に力強い」ことを示していると語った。
スパイザー氏は、円が今後3カ月で07年に付けた安値の124円14銭に向かうと予想している。ブルームバーグがまとめた来年3月末の予想中央値は118円で、10月末時点の111円から円安方向にシフトしている。
米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉報告によると、ヘッジファンドなど大口投機家の対ドルでの円の売り越し枚数 は2日時点で11万1160枚と2カ月ぶりの高水準となった。
投資助言会社ロジャーズ・インベストメント・アドバイザーズのエド・ロジャーズ最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「われわれは15年のレンジを120−135円と予想している」と発言。「黒田氏と彼のコミットメントほど重要なものはない」と語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 中川寛之
更新日時: 2014/12/08 17:29 JST
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