http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NFQAF06S972801.html
11月28日(ブルームバーグ):
自民党でも民主党でもない第3極として活動してきたみんなの党が28日、約5年間の歴史の幕を閉じた。タリーズコーヒージャパン創業者で党所属の松田公太参院議員は、人間関係を要因としたベンチャー企業の崩壊過程を見ているかのようだったと振り返る。
みんな解党について松田議員は「政策ではなくて人間関係。トップが日々やりあっているわけだから、下の人たちもバラバラになっていく」とインタビューで26日語った。「党を存続させるよりも、残念ながら解党の道を選んだ方が正しいという意見が多くなった」として、浅尾慶一郎代表に解党を提案したという。
2009年8月に誕生したみんなは、脱官僚や電力自由化、日銀法改正などの主張を掲げ、昨夏の参院選では衆参合計36人の政党に成長した。その後は安倍晋三政権との連携を模索する渡辺喜美代表と野党再編を目指す江田憲司幹事長の対立、政治資金をめぐる渡辺氏の代表辞任、後任の浅尾代表と渡辺氏との路線対立とまとまりを欠き、衆院選を目前に活動に終止符を打った。
浅尾代表は28日の記者会見で、みんなの党の精神などは所属していた議員に引き継がれ、「それぞれの人が、独自の道を歩んでいくと確信しております」と語った。解党に最後まで反対した渡辺前代表は「心からお詫び申し上げます。みんなの党を存続させたいという私達の思いは少数派になってしまいました」と26日付でブログに記した。解党は19日の両院議員総会で賛成多数で決定している。
政党が分党(分割)した場合、政党交付金を受け取る権利は分割で誕生した新党が継承するが、みんなはこうした手続きを取らない。浅尾氏は28日の記者会見で、「12月に入金予定でありました5億円の政党交付金も含めると12億5000万円を超えるお金を国庫に返納することになる」と発表した。
企業破綻
松田氏は1968年12月生まれの45歳で、コーヒーチェーンのタリーズコーヒージャパンの1号店を97年にオープン、98年に株式会社化した。渡辺、浅尾両氏からの要請で2010年7月の参院選でみんなの党から出馬して初当選した。参院国会対策委員長として党運営にも携わった。
企業を創業・経営した松田氏は、解党に至る1年間について「せっかくいい商品を持っているのにトップ同士がケンカしたりとか、そういうことで崩れていく」とみていた。「話し合って1つの路線にまとまればいいのにそれができない。つぶれていってしまう会社にものすごくよく似た現象」とも語った。
渡辺、浅尾両氏からは、他の党にありがちな派閥だとか、好きだ嫌いだとか、そういったことがない政党だと説明を受けて入党を決意したが「この1年ぐらい、何をやるかではなくて誰がやるかの話ばかりだった」と明らかにした。
鞍替え
松田氏は党が拡大していく過程では、自分が国会議員を続けたいとか再選とかしか考えていない人たちがいつの間にか参加するようになったとしている。これをコーヒーチェーン経営になぞらえ「ブランドを守ろうと思わずにとにかく金もうけさえできればいいと思っている人にどんどんフランチャイズをやらせたようなものだ」とも述べた。
そうして集まった人はきっかけがあればライバルのコーヒーチェーンに「鞍替えしようと思っている人たちがたくさんいる。そうすると本部はうまくいくわけない」と語った。それでもみんなは「しがらみがない人が集まっていて政策も素晴らしい。正論を言っていて日本のロードマップをしっかりと描いている政党」と述べた。
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更新日時: 2014/11/28 20:56 JST
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