http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/12228770.html
長野県北部地震の最大加速度は589gal、これは引き上げ前の川内原発の最大加速度より大きい。
11月22日に起こった長野県北部地震の最大加速度は589ガルでした。「2014年11月22日 長野県北部の地震による強震動」( http://www.kyoshin.bosai.go.jp/…/h…/main_20141122220804.html )に載っています。
東西、南北、鉛直の三成分合成値でK-NET白馬(NGN005)観測点での値だそうです。この白馬観測点は震央から4キロ( http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/…/%E5%BC%B7%E9%9C%87%E5%9B%B32… )のところにあります。「一般的に震源域はマグニチュード7の地震で数十km程度」( http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq7.html#2 )ということですから、M6.8であった長野県北部地震の震源域は10キロ程度の大きさがあったはずで、白馬観測点はかなり震源に近かったと言っていいはずです。
翻って、川内原発はどうかというと、従来の耐震性能は最大加速度540ガルでした。それを九州電力は620ガルに引き上げ、規制委員会もそれで良しとしたのです。
ウィキにある資料から調べると、近年の内陸直下型地震でのデータは次のようになっています。
2008年6月の岩手・宮城内陸地震は、M7.2で震源深さ8キロで震度6強、最大加速度は4022ガルでした。
2000年10月の鳥取県西部地震はM7.3で震源深さ9キロ、震度6強で、1135ガルを観測しています。
2001年3月の芸予地震はM6.7で震源深さ51キロ、最大加速度は830ガルが記録されたということです。
1997年3月の鹿児島県北西部地震はM6.3、震源深さ7キロ、最大加速度がはっきりしませんが、熊本大学の資料( http://www.civil.kumamoto-u.ac.jp/matsu/kagoshima.pdf )には南北方向での最大加速度727ガルが出水市で記録されたとあります。
問題は、この鹿児島県北西部地震で、川内原発があるあたりは九州でも地震が頻発する地域の西の端なのです。USGSの資料に日本付近の地震分布図( http://pubs.usgs.gov/of/2010/1083/d/ )があります。これを見ると、川内原発の立地点を西端として震源の浅い地震を表す赤いドットが100キロ程度線状に分布していることが分かります。データをダウンロードしてみると拡大されたマップを見ることが出来ます。
川内原発は建設時に540ガルを想定して造ってあるはずで、それを追加工事をして620ガルに耐震性能を引き上げているのです。しかし、M6.3である1997年の鹿児島県北西部地震の南北方向だけの最大加速度でさえ727ガルを記録しています。3方向合成なら800ガルを超えているはずで、620ガルは明らかに現実に付近で起こった地震に対して耐震性能が不足しています。
今回の長野県北西部地震はM6.8で震源深さ5キロ、589ガルでした。M6.7で多少小さいマグニチュードの芸予地震は震源深さが圧倒的に深い51キロでしたが830ガルでした。地盤状況の違いや観測点の条件で最大加速度は大幅に変化するということを示しています。
仮に芸予地震の830ガルは例外的なものだとしても、規制委員会はマグニチュード6.5の直下地震を想定して規制基準を作ることになっています。今回の長野県北部地震でM6.8で589ガルを記録していますが、ほとんど報道がありません。伊方原発や若狭湾にある原発の問題があるからでしょうか。
620ガルという川内原発の耐震性能は十分なものなのでしょうか。これから地震頻発期に入る西日本で、620ガルを超える揺れが川内原発を直撃する可能性はかなりあると思えます。
2014年11月24日22時35分 武田信弘
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/304.html