レタス75%高、塩サケ26%高…家計直撃「超値上がりリスト」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/154796
2014年11月9日 日刊ゲンダイ
庶民生活を直撃する“危険な円安”が超速で進んでいる。安倍政権が発足した12年12月のドル円相場は1ドル=85円水準だったが、現在は7年ぶりとなる115円前後。実に30円、率にして約35%の円安進行だ。
日本はモーレツな輸入インフレに襲われ、電気代などのエネルギー価格をはじめ、多くの商品が急騰している。
家計は火の車だ。総務省の消費者物価指数(9月分)をみると、それがよく分かる。全体の物価上昇率は前年同月比で3.2%ながら、品目別を追っていくと驚愕の数値が並ぶ(表@)。あんぱん(5.6%)、カレーぱん(4.1%)なんてカワイイもので、タコ(17.5%)、エビ(19.0%)、塩サケ(26.3%)などは軒並み2ケタの上昇率となっている。
野菜は、もはや高級品の域だ。キャベツ(40.1%)、ハクサイ(28.7%)、レタス(75.4%)……。
「これだけ値上がりしているので、主婦層の買い控えは顕著です。売れません」(大手スーパー関係者)
■庶民を殺す政府・日銀の「円安政策」
価格急騰の理由は、4月の消費増税、それに伴う便乗値上げ、天候不順などさまざまだが、最大の要因は円安による輸入インフレにほかならない。
静岡大名誉教授の土居英二氏が、円安進行による物価上昇への影響度を試算している。安倍政権発足前と比較し、1ドル=100円で3.0%上昇。120円だと5.8%だ。
「家計調査を基に算出した数値です。家計はインフレに苦しめられているのです」(土居英二氏)
ところが、日銀・黒田総裁は庶民生活など頭にない。株高をつくり出すために追加金融緩和を打ち出し、円安をさらに進めようとしている。為替市場では、「1ドル=115円の節目を突破したことで、120円がターゲットになってきた。11月中の到達もあり得る」と囁かれだした。
そうなると物価上昇率は8月、9月の比じゃない。1ドル=120円になると、1ドル=100円時に比べ、物価上昇率はほぼ倍になる(表A参照)。商品価格はどこまで上がるのか。
たとえば「エビ」。昨年9月に1パック980円だったものは、今年9月は1178円に値上がりした。1ドル=120円になると、実際の上昇率などから計算すると1350円程度になってもおかしくない。塩サケは150円→225円、豚もも肉は800円→990円、チーズは300円→390円といった具合だ。
そこに消費税の再増税が重なったら、家計は立ち行かなくなる。政府・日銀に庶民は殺されかねない。