恥ずかしい人々
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2014年10月28日 在野のアナリスト
昨晩、零時の望月環境相による記者会見、朝日新聞の裏どりに、慌てて記者会見を開いたものでしたが、内容が意味不明です。政治資金収支報告書には支出分742万円の記載のみであったものの、後援会の収支ではなく、誤って支出だけ記載したもの、と説明します。しかも亡くなった経理担当の妻がやったことで、自分でも分からない、と。しかし実行委員会が行ったものとはいえ、08、09年の賀詞交歓会で2000円、10、11年のゴルフ大会で5000円を集めた、としていますが、ゴルフで5000円は安過ぎる気がしますし、もっとも腑に落ちないのは、経理である妻と相談もせず、政治資金収支報告書をだしている、というその感覚です。下手をすれば政治生命が終わるかもしれない、収支報告書をどう考えているのか? もしこれが単なるイイワケに過ぎないなら、亡くなった妻を貶めた、として有権者にとって頗る不評を買う説明となるのでしょう。
有村女性活躍担当相は脱税企業から、宮沢経産相は外国人企業から、大塚国交政務官は外国人から、と献金をうけてはいけない相手から、続々と献金をうけていることが発覚、返金したと説明します。しかし第三者から指摘されないと違法に気づかないのか? その甘い管理をしている人たちが、国の予算の使い道を議論しているのですから、監視が甘いのも当然と言えます。
ただ、内閣改造後に醜聞がつづく、改造が悪かったという報道をするむきもありますが、大間違いです。前閣僚の収支報告書に不備がなく、現閣僚が不備だらけ、というのではないためです。単に改造前は「ムードを壊すな!」とする風潮で各社も収支報告書の調査をためらっていた。ムードどころか実体が壊れ始め、メディアも収支報告書の調査に本腰を入れ始めた、というだけのことです。読売、産経などのおトモダチメディアにスクープが出ないのも、調査をしり込みしていることが影響します。一方で朝日は、これ幸いとスクープに全力を出してきた。特に今回、望月氏のスクープつぶし会見で、朝日のやる気は益々増したのでしょう。そもそも論ですが、調査に耐えられない政治家が、あまりにも多すぎる。それが大きな問題なのです。
参院財政金融委員会に出席した、岩田日銀副総裁が就任前、2年程度で2%の物価目標を実現できなければ辞任、と述べたことを「深く反省する」と発言しました。達成困難なので前言撤回、という話です。同委員会に黒田総裁も出席し、増税先送りなら「対応が困難」と述べ、マイナス金利を「特に問題ではない」、2%の物価達成目標は「期限なし」、国債買入れは「財政ファイナンスではない」と、自分たちがやっていることは間違いない、と述べますが、増税先送りで対応が困難となるのに、マイナス金利を問題ない、と言ってしまうその感覚にはついていけません。
恐らく黒田氏は明確な金融、財政政策についての柱をもっていない、と推測されます。2%の物価にさえしておけばすべて上手くいく、とでも言いたげで、その過程で起きる異例で、異常な事態でさえ気にならない。しかも、実際に達したからといって上手くいく、という確信があるわけでもない。コストプッシュ型になっても円安でインフレ、に固執するのも同様なのでしょう。それが経済に与える打撃について、一切の考察がない点も経済についての正しい認識が欠如している、と感じさせます。バズーカは撃てても、焼け野原になった後を復興させる力を感じさせません。
政治家、閣僚も、日銀の総裁、副総裁も同様ですが、大事なお金を扱う部署の、トップにいる人物たちです。それがいずれも自分に甘く、お金の管理が杜撰という話であって、これは恥ずかしい話なのです。外国人企業の献金など、自民にブーメランが返っています。恥、という字は心に耳がついていますが、国民の声に耳を傾け、心をもって対応しないと、今後も不祥事にうんざりし、自画自賛に呆れ、ということが続き、政権そのものが恥と評価されることになりかねないのでしょうね。