閣僚辞任ドミノの始まりか?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52663997.html
2014年10月18日 在野のアナリスト
新聞各社に、小渕経産相の辞任論が踊ります。しかし、ことは閣僚辞任に留まりません。2008年から12年までの収支の差額が5000万円を越えましたが、13年も実施していながら未記載だった。つまり違法性を認識した会計責任者が、13年に記載を削除した可能性が高い。しかも親族からの多額の物品購入、政治資金からの物品購入など私物化が著しい、ということは本人に自覚あり、と看做されます。いずれ市民団体からの告発もあるでしょうが、公選法違反が濃厚です。
政治資金規正法違反なら、会計責任者に罪を押しつけることもできますが、公選法違反だとそうも行きません。よく政治家は選挙期間中の街頭演説に、芸能人をよびます。これは無償ですが、顔の広さや自身の力をアピールすることができます。観劇会も同様の効果をもつ、即ち格安で芸能人が出演してくれる、ということは政治家としての力の演出でもあり、単なる差額分の補填ではなく、饗応接待にあたる恐れがあります。そのときは一発で政治家生命が終わります。
実際、安倍首相としては閣僚辞任なら松島法相とセット、と考えているでしょう。団扇は討議資料だ、という説明そのものが公選法違反との指摘もあり、また一時的に名前の入っていない団扇を配っていた経緯など、どう考えても庇いきれません。松島氏は肝いりで閣内に入ったのではなく、本当は五輪を盛り上げるため、橋本参院議員の閣内入りを検討していたところ、スキャンダルもあって松島氏にお鉢が回った、とされます。目玉の小渕氏を代えるなら、優先順位の低い松島氏とセットにしないと、それこそ辞任ドミノとなり、ダメージも拡大します。
しかし次の経産相、法相が問題です。茂木前経産相という話もありますが、これからの安倍政権の閣僚には、醜聞探しが活発化します。茂木氏は酔っ払い答弁などの前歴があり、二日酔いも度々指摘されます。正直、これまの「ムードを壊すな」の号令の下、醜聞すら報じられなかった状況とは、事情が異なります。さらに原発再稼動、廃炉などの問題が山積みである経産相、さらに景気悪化が深刻となれば、袋叩きに遭う恐れもあります。簡単に務まる閣僚ではありません。
法相は以前から名誉職ですが、女性閣僚にしないと、女性活躍の方針とも異なります。その女性3閣僚が、秋の例大祭に合わせて靖国を参拝しました。問題はない、と強気ですが、これで確実に中国は「日中関係を悪化させているのは日本」と、世界各国で喧伝して回るでしょう。米国も、すでに靖国神社ではなく、千鳥が淵の戦没者慰霊碑を訪れているように、靖国神社に問題あり、との認識で一致しており、これで安倍政権は二重、三重に外堀を埋められた形になります。
女性が活躍するはずが、安倍氏の子飼いの保守系ばかりを集めた結果、トラブルメーカーになってきた。海外でも、安倍氏が本気で女性を活用する気はない、と感じることでしょう。女性を活用したいのではなく、自分の意見を通したいだけだ、と。それは従前の、NHK会長、経営委員会人事でも同様、安倍氏は自分の気心の知れた相手を送りこみ、組織を牛耳りたいだけではないか? それで本当に女性活躍の場をつくる、と言えるのか? その女性も、自分と意見の合う人間だけではないのか? そんな懸念すら生じさせます。いみじくも有村女性活躍担当相の共働き反対エッセーなど、本気で女性が社会進出することを望んでいないふしも見受けられる。女性で身をもち崩す、というのはどこの世界にもあることですが、安倍氏の女性運のなさ、が最大の致命傷になりつつあるのでしょうね。