危ない8つの活断層 茨城地震で浮き彫り “M8〜6級”リストアップ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140918/dms1409181529012-n1.htm
2014.09.18 夕刊フジ
首都圏に震災の恐怖が漂っている。16日に発生した茨城県南部を震源とするマグニチュード(M)5・6、最大震度5弱の地震は複数のけが人を出し、地震の恐ろしさを改めて印象づけたが、気になるのはこの震源が内陸だったことだ。国は、関東地方でM8〜6級の大地震のリスクを抱える活断層を8つリストアップしている。しかも、「首都圏の地下には未知の断層が隠れている可能性もある」(専門家)というから警戒は怠れない。
東日本大震災から3年半がたったが、日本列島はなお不安定な状態が続いている。
関東を揺らした16日昼の地震は、そのことを再確認させるのと同時に、東大地震研が「4年以内に50%以下」(2012年公表)の確率で発生するとしているM7級の首都直下地震への警戒感をも呼び起こした。
現在、国が運営する「地震調査研究推進本部」で、M8〜6級の大地震の発生が懸念されている内陸の活断層は8つある=表。
なかでも、首都直下地震の発生が危険視され、想定震源域にもなっているのが「立川断層帯」だ。
「埼玉県と東京都西部にまたがる全長約22キロの『立川断層』と、北西方向にある『名栗断層』で形成される全長約33キロの断層帯で、国の調査では、今後30年以内にM7・4程度が0・5%から2%の確率で発生するとしている。2011年の東日本大震災によってその発生確率が高まったともいわれている」(気象庁関係者)
三浦半島の中・南部と周辺海域に位置する「三浦半島断層群」も危ない。この断層群の一部は、今後30年以内にM6・6程度の地震のリスクが「6〜11%」ある。
発生確率は低いが、「関東平野北西縁断層帯」(ほぼ0〜0・008%)では最大でM8が想定されている。
これを見るだけでも関東の地下は危険だらけだが、本紙で「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」を連載する武蔵野学院大学の島村英紀・特任教授は次のように語る。
「過去、地震を起こした断層が地表に見えているものを活断層と呼んでいるが、首都圏の地下には厚い関東ローム層が堆積しており、その下に未知の断層が隠れている可能性がある。それらの断層が首都直下地震の引き金になることが十分考えられる」
島村氏によると、首都直下地震の1つと目されている1855年の「安政江戸地震」を引き起こした断層の正体も、はっきりと分かっていないという。
「地下のボーリング調査などによって、元荒川断層帯や荒川断層帯など活断層の疑いのある断層も新たに発見されている。いずれも都内の地下を縦断している疑いが濃い。『3・11』(=東日本大震災)以降、首都圏の地震活動は活発になっており、予断を許さない状況が続いている」(島村氏)
首都の地下は、まさにいつ弾けるかわからない“火薬庫”の様相だ。