石破氏の入閣?
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2014年08月28日 在野のアナリスト
デング熱の感染が3人に拡大しています。互いに面識があり、代々木公園にいたことから、そこにいる蚊が原因では? とされます。しかし渡航歴ばかりでなく、過去最高の外国人旅行者を受け入れていれば、感染したまま日本にくる人もおり、蚊を媒介した感染が広がる怖れはあるわけです。これはエボラ出血熱や、マラリアだって同じ。ウィルスをもって渡航してくる人を防ぐことは、現実的には困難です。だからこそ、感染が確認されたときの対応は重要ですが、昨日からの厚労省の対応は『パニックを起こさない』ことを目的として「大丈夫」と述べるばかり。結局、今日になって慌てて感染ルートを探る始末です。むしろ正しい情報でパニックを抑え、その間に万全の対応を築く、ということでないと国への信用のなさからパニックを起こすことにもなります。
明日、会談する安倍首相と石破幹事長に、新たな展開がありました。地方創生担当相への就任を打診、というものです。これは安保担当相と異なり、政策の違いを理由とできないことから、受けざるを得ないとみられており、また地方に強い基盤のある石破氏にとって、さらに地方の票固めができる、恰好のポジションです。しかし権限の小さい、格下の地創担当相なる怪しいポジションだけで安倍内閣に留まることは、飼い殺しともされ、イメージが悪い。そしてもう一つ、これが菅幹事長辺りが描いたシナリオなら、別に罠が準備されている、とみて間違いないのでしょう。
閣僚は18人と法律に決められており、そのため担当相などは兼務、兼任することが常であり、多い人は5つぐらい担当します。人数に余裕がないのに、石破氏が仮に地創担当相のみであるなら、後に安保担当相を兼務させるつもりではないか? つまり、ここで安保担当相に軽量級の議員や、重鎮と目されるベテラン議員がついた場合、通常国会で関連法案の審議入りをする前に、数週間から数ヶ月、病欠させてしまうのではないか? すると、国会審議は停滞するので、そこで改めて『暇な』石破氏に安保担当相を打診、国会審議を担当させるよう、画策するのではないか。
軽量級の議員なら、意を含ませることもできるでしょうし、ベテラン議員なら病欠しても不自然さはない。議員がトラブルを抱えると、長期入院させてくれる病院はいくらでもあり、病名など何とでもできます。つまりどうしても石破氏を安保国会の矢面に立たせ、失言やまずい答弁などで失点させ、次の総裁選にむけて力を殺ぐことが、この地創担当相の要請だとみています。
安倍氏にもリスクがあるのは、仮に安保担当相が病欠すると、健康不安のある人の任命は3件目。内閣改造のない政権、とは言われますが、TPP交渉の重要局面で一時離脱した甘利氏、亡くなった小松前法制局長官、など意外と人事面に危うさを抱えています。度々、病欠者をだせば、悪い噂だと「呪い」などともされるでしょう。さらに、安保担当相の突然の交代は、国会審議にも悪影響になることは確実です。それを犠牲にしても石破氏を蹴落としたい、そんな策とも言えます。
しかし党内の力関係からみれば、石破氏は省庁つきの閣僚にしてもおかしくない。それを担当相クラスで遇するのは、本来であれば礼を失する話です。党内の反安倍勢力は勢いづくかもしれない。幹事長に誰がつくか? もありますが、その動きを抑えきれるかは不明です。安心を与えようとして万全を期すつもりが、組織の弱体化を招くことはよくあります。今回は党内事情からの改造ですが、安倍政権の政策への信用はすでになく、党内への反安倍の感染率を確認する、そんな組閣になるのかもしれませんね。