中国の覇権主義とアフリカや中東に狙いをつけたエネルギー戦略は、札束と武器弾薬を使った経済侵略として目覚しい勢いで膨張路線を邁進しており、それが新植民地主義として世界秩序を大いに書く欄ている。日本人は目先のことばかりに注意を奪われており、安倍晋三の軍国主義が尖閣列島の領土問題として捻じ曲げられてしまい、世界の動きから完全に取り残された状態にあるのに気がつかないでいる。
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アフリカを制圧したパンデミック的な中国の資源戦略と新植民地主義
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投稿者 あおによし 日時 2014 年 8 月 24 日 10:45:09: OmoqeDDYlHsE6
21世紀に入って中国の目覚ましい躍進が続いたことによって、GNPや外貨準備高では日本をはるかに抜き去り、経済的にも軍事的にも存在感は圧倒的になって、アメリカに続く世界第二のモンスター的なスーパー大国になった。それに比べると経済大国だと自惚れていた日本は、小泉内閣や安倍内閣という売国政権によって、骨抜き状態の政治のためにガタガタで落ちぶれる一方である。弱り目に祟り目とは独裁化が続く日本のことで、東北大震災によって東北地方の被害は壊滅的だし、福島の原発の大爆発で放射能汚染で国土は汚れ、安倍の支離滅裂な無責任政治を放置したせいも加わって、コピペの広島原爆追悼式を軽視した天罰まで下り、日本の現状は暗澹としたものと言うしかない。日本がこのようなペテン政治に明け暮れているうちに、侵略主義の野望に支配された中国の膨張主義は、豊かな資源に恵まれたアフリカの植民地支配の形で、とんでもない事態に至っているのに、その危険性に注目する人間がいないと言う悲劇が進行中だ。戦争ゴッコをやりたい幼稚な頭脳の安倍晋三が、尖閣列島の周辺で軍事行動を起こすために、奄美大島や沖縄の軍事基地化を進めていることに日本人が気を奪われている隙を狙い、中国はアフリカに50万人以上のシナ人を潜入させて、植民地化することを成し遂げてしまったのである。それを東南アジアに足場を据えて監視している二人の国際ジャーナリストが、インド洋と太平洋を巡る地政学という観点で、興味深い観察としてまとめている記事が大変参考になる。
<貼り付け>
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/newleader201407.html
『ニューリーダー』 2014年7月号
特別対談
太平洋を結ぶ国際政治と経済戦略
二一世紀冒頭のアジア南部における地政学的な潮流(上)
スチュアート・アラン・べッカー (ミャンマー・タイムス 営業局長 )
藤原 肇 (フリーランス・ジャーナリスト、慧智研究センター所長)
情報化時代のインテリジェンス戦略
藤原 ベッカーさんと最初に会ったのは三年ほど前で、いろいろと現地事情を教えてもらったし、二年前に行った対談記事は、本誌の二〇一二年の四月号と五月号に掲載された。もともとあの時、あなたはプノンペン・ポストの記者としてインタビューをまとめるために、私に取材をしようとしていました。
ベッカー そうです。アジアの国際政治と地政学に関して、本当はインタビューしようと思っていました。だが、出会い頭の肩透かしで面食らい、あなたの対談のペースに巻き込まれてインタビューにならなくなった。
藤原 あなたはインタビューが得意だし、一神教の西洋では宣託形式を好むが、多神教の東洋は対話を愛好する。また、若い頃の私は自己主張をしたから、インタビューにも応じていたが、歳をとった今は対話の方が楽しく、努めて対話にペースを持って行く。しかも、あの頃の私は東南アジアに注目し、二〇一三年は東南アジア諸国連合(ASEAN)においてカンボジアが議長国だったので、カンボジアの動静に注日したが故に、あえてテーマを変えてみたのです。
ベッカー 今頃そんな取材妨害を告白されても、時効だから怒るわけに行かないから、諦めるより仕方がありませんね・・・・・・。
藤原 ついでにもうーつ白状してしまうと、良い取材には実地見聞で土地勘を育て、どんな新しい国に行ったにしても、その国のトップの新聞記者と仲良くなり、相手が蓄積した知識を吸収します。 あの頃はカンボジア事情を知らなかったから、あなたの持つ知識を引き出し、一挙に情報を手に入れたかった。ところが、あなたは今年「ミャンマー・タイムス」のナンバー・スリーになっていて、ヤンゴンに仕事の場も移した。私はミャンマー事情に疎いので、こうやってヤンゴンに出向いてきた以上は、最新情報を教えて貰いたいですね。
ベッカー 知識が財産なのは言うまでもないですが、私の情報がお役に立つなら光栄です。しかも、わざわざミャンマーに来て貰い、待望の地政学を展開して預けるとすれば、こんな嬉しいことはありません。
藤原 二年前からの宿題でもあるので、さっそく取り掛かることにしますが、後半の部分でお願いしたいテーマは、あなたが去ったカンボジアに関して現地では書けなかった極秘情報です。
ベッカー どこまで話せるかは保証しませんが、話の成り行き次第ということにして、とりあえず議論に入るとしましょう。 まず第一級のテーマとして扱うべきは、いつ始まるか予断できない世界恐慌と共に、経済の危機的な状況についてです。それは現在の混乱した世界情勢の中で、米国と中国の間の覇権争いが、これからどう展開して行くかに関係するし、大局的にどう見るかの問題でもある。
中国の海外進出とアフリカ貿易の制圧
藤原 その意味で一九八九年は歴史の転換点で、六月の天安門事件に続きベルリンの壁が崩れ、マルタ会談で冷戦が終結した。年明けに日本のバプル経済が崩壊し、ソ連の解本に続き湾岸戦争があり、ドイツの統一と社会主義圈の終焉があった。しかも、混乱の中で米国がハイエナ化し、ソ連の周辺で利権を食い荒らしたが、米国によるイラク、アフガン侵略の隙を狙い、中国の利権漁りがアフリカで進み、中国によるアフリカの植民地化が実現した。冷戦後の僅か十数年の期間だけで資源地帯に五〇万人以上を送り込み、中国は石油や鉱物資源を抑えた。これが二一世紀冒頭に至るまでに起きた、世界における地政学的な俯瞰図です。
ベッカー いくらアフリカ進出だとはいっても、五〇万人以上のシナ人とは驚きです。空き巣狙いのような進出方式だ。僅か二〇年ほどの短期間に、そんな大量な人間を連れて行って、経済進出を実現したとは驚きです。
藤原 それを助けたのがアメリカであり、共産中国を甘く見すぎたのです。どこで読んだか出典を忘れたが、南アフリカ共和国にはシナ人が二五万人も住み、働いていると知って驚いたことがある。 その辺について何か知りませんか。
ベッカー まさかと思うほどの人数で、そんな話は知らなかった。もし本当ならば大変なことです。ただ、南アフリカは資源が豊かだから、あってもおかしくない話だとは思うが、余りにも大胆で野望が丸見えです。
藤原 でも、アンゴラにはシナ人が既に一五万人おり、経済援助と借款を武器に使って、あそこの資源開発とインフラ整備に取り組んでいる事実も有名だ。中国政府で前首相だった温家宝は、私と同じ地質のプロであり、北京地質学院の修士課程を出て、資源開発に精通した政治家で、日本の世襲上がりの首相とは能力が違う。 彼は大胆な資源戦略を実行する力を持っています。そこに注目する必要がある。
ベッカー ワシントン政府はそこまで見ていないし、藤原さんとは視点が異なるから、CIAといえども専門までは見抜いていない。地質よりも共産主義に注目する程度です。だが、スーダンの例を見れば分かるが、あそこに石油があったことが理由で、インフラも存在していないのに、中国は武器の提供で工事を請負い、何万人ものシナ人を送り込んだ。それにしても、それだけの人海戦術はどうやったらできたのでしょう。
藤原 膨張主義のためなら何でもやり、北京政府が得意の人海作戦を使います。まずは道路や鉄道の建設という形で、人民軍が不要な古参兵たちを集め、工事で働く労務者として連れて行き、奴隷のように仕事をやらせた。住居は野戦と同じようにバラックを使い、食料や医療は戦時体制の方式で、自分の手による現地調達で済ませ、人民軍の基準に従っていた。ダム工事や河川改修は工兵の指揮だが、外部には民間労働者に見えても、その実態は古手のべテラン兵だ。 この方式は韓国政府が活用して、中東の油田地帯の工事現場で、既に一九八〇年代に実行した手口で、韓国のべ卜ナム戦争派兵の応用でした。
ベッカー ベトナム戦争に従軍した韓国兵は、簡単に移民の資格を与えられたので、大量の韓国人がアメリカに移住した。そして、アメリカではあっという間に韓国人街が出現し、朝早くから夜遅くまで働いたので黒人やイタリー人の零細商人と対立し、社会問題の種を撒き散らしました。
藤原 中国は米国の仮想敵国であるし、人民軍の兵士は傭兵に使えないので、その受け皿として、アフリカには絶好の条件があった。ソ連や衛星国が開拓した場所が、ソ連体制の動揺と混乱のせいで、一種の真空状態を生んでいたのです。内乱続きのアフリカ諸国には、武器と経済投資を使う中国流の接近は、独裁者たちには恵みの女神で、簡単に資源利権を売り渡した。中国政府にとっては「濡れ手に粟」でした。
ベッカー 急速な勢いで経清成長した中国は、GDPで簡単に日本を追い越したし、世界第一の外貨準備与を蓄えている。そして世界中で資源を買い漁るだけでなく、資源開発にまで乗り出すなどとは、誰も予想さえしない驚きでした。
アメリカとヨーロッパの巻き返し作戦
藤原 中国と米国は国家体質が似ており、国というより国家連合を形成し、多地域と多民族の結合体である。また、自由放任が国民性の基盤を作り、本質的に自己中心的であるし、物質主義と拝金思想が強いから、弱肉強食が当たり前になっている。しかも、特権階級が富と力を支配して、必然的に社会の格差が目立つから、行き着くところは覇権主義で、国策としては侵略路線になる。
ベッカー それでも、モンロー主義の伝統があるから、アメリカが覇権主義だと決め付けるのは、歴史的にも正しくないと思う。
藤原 だが、ウィーン体制による新植民地主義に対し、南米への干渉の相互自制を求めて、排他的な縄張りを主張したのが、モンロー主義の本音だった。だから、米国の覇権主義の隠れ蓑が資源外交であり、国力が充実すると外に向かい、利権の獲得を目指す膨張策だ。中国のアフリカ進出はその模倣です。
ベッカー 中南米諸国は米国の裏庭であり、アフリカは欧州諸国の裏庭です。伝統的にヨーロッパが抑えていたはずなのに中国が進出できたのは驚きです。ソ連解体で欧州が混乱していたし、アメリカも冷戦の勝者としてロシア南部の利権に目を奪われていた隙に、中国に上手くしてやられた。スーダンには石油埋蔵量が多いし、サウジ並みと推定されたので、中国は狙いをつけて進出を果たした。 しかも、政府がイスラム系だったので、米国は国交断絶していたために、中国のー人勝ちの放置になった。中国が反政府の黒人住民の側に立ったことから、ダルフール紛争が内戦になり、南スーダンは独立したのです。
藤原 そういうことです。鉄道や道路の建設を始めとして、パイプラインやダムの建設のために、人民軍の老朽兵が働いている。それだけでなく、英国の『ガーディアン』紙によれば、囚人まで送り込んでいるようで、前に言ったような巧妙な棄民政策が、アフリカで実行されている。また、中国はリビアに武器やミサイルを提供して、見返りに油田の鉱区やインフラ整備で、五〇以上のプロジェクトを展開し、四万人もの人間を送り込んでいた。
ベッカー リビアの内戦のとばっちりで、三万人のシナ人がリビアから脱出し、チュニジアとマル夕にー万人ずつ移送され、残りはアフリカ各地に移動した。本国に戻ったのは二〇〇〇人という。アフリカ情報は英国とフランスが強く、それを知らないと分からないことが多い。その意味では理解するのが難しい戰争だった。 だが、シリアの内戦は分かり易い。イスラエルの野望の破綻が目立ち、オバマの空爆中止の决定によって、プーチンに手玉を取られてしまい、アメリカ外交の完敗ぶりが明らかになった。
藤原 チュニジアで始まった「ジャスミン革命」はエジプトやリビアに向けて広がり、「アラブの春」とも呼ばれている。これはCIAの巻き返し作戦で、IT技術を使った情報工作として、フェイス ? ブックが活用された。カダフィ大佐を虐殺する追跡作戦は、米国が最も求めていたもので、アメリカが黒幕だと考えられた。だが、フランスが意外に強硬な姿勢で、NATOの軍事行動を指揮しており、その背景について分析すれば、別の理解になるのではないか。
ベッカー リビアにはフランス利権は少なくて、むしろ、米国系の石油会社がたくさん操業していた。また中国の企業を呼び込んだ恨みは、カダフィへの反感としてアメリカの方が、はるかに強いという感じがする。
藤原 でも、リビアは直接民主主義を実践して、国民国家体制を乗り越えようと狙い、ムスリム共同体のアフリカ連合を作ろうとした。こうした国家を否定しようとした政治姿勢が、フランスの気に食わなかった。何しろ、リビアは電気や水道料がタダで、大学まで無料だし、家を買えば半額まで補助を出す、高度な 福祉制度を普及させた。フランスにはこんなリビアが目障りだった。しかも、リビアには国家の中央銀行がなく、利息の支払いは絶対禁止だから、口スチャイルドにとっては天敵であり、金融財閥の傀儡であるサルコジには、リビアを叩き潰す理由があったのです。
ベッカー だが、その影響を受けたのが中国企業で、リビアから一掃されたという考えは、余りに突飛すぎて賛成できない。フランスがEUの盟主にしても、そんな長期的な構想力に基づいて、国際政治に関与する実力はない。だが、「アラブの春」の中国への衝撃波は、ウイグル問題に反映する形で、波及効果が生まれるかも知れないから、ムスリム世界には目配りが必要だ。
ミャンマー進出で果たした中国の二大洋戦略
藤原 ウイグル問題は非常に重要だが、膨張路線を取る中国にとっては、資源権益であるアフリカ諸国に向け、インド洋を貫く補給線としてムスリム諸国の存在は極めて重要です。それは日本がかつて生命線と考え、軍事展開をしたパターンにも重なるし、最近の中国の海洋戦略により、国境紛争の原因を生み出している、南シナ海の領有問題に結びつく。
ベッカー それ以上に重要な問題がある。ミャンマーから雲南省の昆明に向けて、パイプラインを建設した中国は、マラッカ海峡の弱点を解決し、エネルギーの補給路を確保し終えた。ミャンマーと中国が手を結んで、インド洋に中 国が活路を開いた成果は、西海岸を手に入れた米国と同じで、これは中国の資源戦略の勝利であり、米国にとって大失策だった。しかも、パイプラインに続いて鉄道計画があり、それを使って武器や兵隊を送れば、インド洋が中国の海になってしまうので、それをインドは警戒しています。
藤原 地政学的な惨敗の典型です。ロシアが南下して満州を狙って、日露戦争になったのと同じパターンが、援蒋ルートを巡る同じ舞台で、補給線の確保の形で一段落した。しかも、アフリカや中東からの石油と、ミャンマー産の天然ガスの輸送用に二本のパイプラインを並行させ、港から昆明を経由して重慶まで結び、大動脈である生命線を確保した。 それは米国の海軍が支配しているマラッカ海峡封鎖の危険から、中国が回避したことを意味し、輸入エネルギーの三分の一の量が、より安全な迂回路経由になった。 しかも、カスピ海西岸のトルクメニスタンから、カザフスタンやウイグルを経て、パイプラインで重慶や上海と結ぶ、エネルギーを運ぶ幹線の構築も加わり、これで安全保障がより確実になりました。
ベッカー そうですね。イラクやアフガンにおける戦争で、アメリカが泥沼に嵌まり込み、軍事政権に対し経済で締め付け、ミャンマーを苛めた隙を突かれ、中国政府にしてやられたのです。しかも、中国はチャウピュー港の建設と共に、経済特区と工場施設を築いて、二〇年の租借契約を結んでいるが、パイプラインに並行した形で、鉄道と道路建設の話しも進行中だ。でも、それを武器や兵隊の輸送に使い、中国がインド洋の橋頭堡を作れば、安全保障上の問題になる。ミャンマーが中国領化しかねないからだ。
藤原 昨年の夏に雲南から四川省を旅して、揚子江の源流の山岳地帯を歩き回り、チベット北辺について観察して来た。昆明から大理を経て保山までは、既に立派な高速道路が出来上がり、G56杭瑞高速と名付けられて、中国の宇宙ロケット基地の補給路でもある。 しかも、保山から国境の瑞麗までのG320は、ミャンマーに入ると国道三号線に繋がり、マンダレーを経てインド洋まで続く。
ベッカー それが有名な「援蒋ビルマルート」ですね。昔は難路で通行が困難だったけれども、今では中国側には高速道路まであり、舗装済とは夢のような話に思えるが・・・・・・。
藤原 そうです。アメリカ並みの幅広い高速道路で、日本の高速道路は中国では普通の国道であり、シナ人が得意の米国のモノマネだ。ただ、私は大理から先は山道をジープで北上し、シャングリラからは峠越えで、揚子江の源流地帯を訪れているために、ミャンマーの国境地帯は知りません。また、昆明には大学が十数校もあった上に、人口が六〇〇万人もいて驚いた。
ベッカー ミャンマー北部に住む中国系は、百万人を超えるそうで不気味です。北部のカチン独立運動(KIA)のゲリラは、共産主義者の影響を受けており、パイプラインはテロの標的に狙われ易いし、道路や鉄道は戦闘の道具に変身します。
藤原 話をエネルギー問題に戻せば、ミャンマーは英国のバーマ石油の発祥の地だし、石油や天然ガスの輸出国であり、ミャンマー最大の天然ガス田は、その五一lを韓国の大宇国際開発が持ち、パイプライン投資にも参加している。だから、中国は韓国の抱き込みを実行し、済州島の土地の多くを買占め、シナ人に韓国国籍を取得させることで、包囲網の構築を狙っています。
ベッカー 中国が極東で、韓国や日本を標的にして、どんな作戦を進めているか。オイルマンとして藤原さんは、どんな地政学的な観察をしていますか。
藤原 鍵になる言葉はアブダクションです。中国は海洋防衛ラインの拡大を狙い、東シナ海と南シナ海で紛争を起こし、領土問題をテコに海軍を増強している。だが、米国はもはや対応できないし、台湾と韓国は腰抜け状態に等しく、中国のしたい放題になっており、日本政府は奄美諸島に自衛隊を送り、戦う気で撹乱されています。
ベッカー 尖閣到島は局地的な領土紛争だが、中国が行動している西沙(パラセル)諸島は、ベトナム沖の石油資源が関わるのに、アメリカはもはや関係したくない。しかも、陸地戦では惨敗を喫した人民軍も、航空母艦や潜水艦を持つ海上戦でならベトナム海軍よりも、有利に戦えると計算して軍事行動に踏み切りそうだ。
藤原 より大きな問題は南沙(スプラトリー)諸島であり、ここは中国から余りにも遠く離れていて、中国海軍の手に余る領域に属す。しかも、ベトナムやフィリッピンを含んでおり、ムスリム諸国の盟主インドネシアを始め、マレーシアやブルネイが並んでいて、相手はASEANのメンバーである。だから、中国には極めて扱い難いので、成り行きとしても興味深いです。
ベッカー 中国は世界最大の外貨準備を持ち、アメリカの債権国として強い立場で臨める。プーチンもそれに見習って、別の形での資源戦略を始動している。中国とロシアが手を組めば、政治と経済のバランスが変わる。アメリカは大いに焦るだろう。だが、シリアやウクライナの紛争において、アメリカが取った愚かな対応は、プーチンの狡猾な作戦の前で、全く見るに耐えないものだった。その意味で、北京政府は自信満々だと思います。
藤原 それは大いにありうることで、恐らく習近平は驕り高ぶっている。アメリカに頼り切る安倍はもとより、米国まで馬鹿にしているようだ。だが、今の中国はバブル経済が行き詰まり、多くの問題が発生しており、国内で不満が次々に噴出するようなことになれば、大混乱になる可能性が濃厚だ。東と西の社会格差の矛盾を始め、南北の文化差の対立があるので、幹部は海外に逃亡する準備を整え、資産を移し終わったとの情報も、まことしやかに流れていますよ。
ベッカー 人民軍の幹部も似たようなもので、自由な利権あさりが制限されたから、兵器を解体し部品として売りさばき、それが資源として海外に流れ、軍隊は内部的にガタガタだという。華南経済圏での混乱が起これば、南北の対立が爆薬として使えるので、生命線の分断作戦に狙われて、ミャンマーあたりで紛争が仕掛けられ、攪乱工作が生じるかもしれない。
藤原 それが「アブダクション作戦」の意味で、この言葉は一般に「拉致」と訳されて、北朝鮮用に矮小化されているが、仮説の創発能力という意味もあり、欠けたモデルに気づく営みです。そこに日本の悲劇の基盤がある。日本の工業生産力が抱え込んだ、地理的に見て不利な条件を忘れ、ASEANの重要性に気づかないままに、地政学的な欠陥に無知なことが、いかに致命的であるかの問題です。
問題はカンボジアとミャンマーが、去年と今年のASEANの議長国で、非常に重要な存在であるのに、気づけなかったことに関係しますが、この問題を論じるには紙数が尽きたから、来月号で議論を続けることで、ここで話はいったん中断にしましょう。だが、事態は急速に変化しており、予断は許されないと警鐘を鳴らしておきます。 (敬称略)
藤原肇 (ふじわらはじめ) 1938年、東京生まれ。仏グルノーブル大学理学部にて博士課程修了。専攻は構造地質学、理学博士。 多国籍石油企業の開発を担当する石油ジオロジストを経て、米国カンサス州やテキサス州で石油開発会社を経営。コンサルタント、フリーランス・ジャーナリストとしても活躍。『夜明け前の朝日』(鹿砦社)、『賢く生きる』『さらば暴政』(清流出版社)、『生命知の殿堂』(ヒカルランド)、『Japan's Zombie Politics』『Mountains of Dreams』(Creation Culture)など著書多数。
Stuart Alan Becker (スチュアート・アラン・ベッカー) 1961年、神奈川県座間市生まれ。 アラスカで育ちワイオミング大学で英語学、ハワイ大学でジャーナリズムを学ぶ。アリゾナの「イースト・アリゾナ・クーリエ」誌、香港の「サウス・チャイナ・ポスト」紙で活躍。ノーム・チョムスキー、ビル・ゲイツ、キャスパー・ワインバーガー、ジェラルド・フォードなどへのインタビュー記事でも知られる。カンボジアの「プノンペン・ポスト」特報記者を経て、現在「ミャンマー・タイムス」 営業局長。主な著書に「China Power Project Directory」がある。
<貼り付け終わり>
この記事を読んで愕然と呆然としてしまうのは、戦略的に着実に支配権を増大している中国に対して、日本は株の操作で景気の復活を狙う、アベノミクスなどという情報操作のペテンに熱中し、世界からどんどん立ち遅れていると分かる。しかも、極東では日本、台湾、韓国の三国が金儲けのために、中国が仕掛けた罠の中に誘い込まれ、投資資金や技術を人質になって逃げられず、腰抜け状態になっていることが赤裸々に見えていることだ。アメリカも破産寸前で日本からカネを奪い取り、生き延びようとしているのに気づかない日本人は、情けないことに総てを撒き上げられようとして、最後には統一教会と創価学会の手でご臨終を迎えようとしていることである。目の前の尖閣列島のことばかりに注意を奪われている安倍内閣は、沖縄や奄美奥武島に自衛隊の基地を大量に整備して、安倍晋三の戦争ごっこ熱による戦争準備に熱心だが、そんな近視眼的な幼稚な政治をしている限り、日本はアジアとアフリカに布石をしている中国に足をすくわれて徹底的にやられるのは明らかだ。中国の狙っているアフリカでの新植民地主義に対して、日本人はもっと真剣になって注目すべきだ。
http://www.recordchina.co.jp/a82079.html
しかも問題なのは中国の資源利権をめぐる暗闘の大暴露であり、
中国、石油大手も汚職摘発 背景に権力争いか
CNPC幹部ら当局が調査 関連企業の株価急落
2013/8/29付
日本経済新聞 朝刊
【北京=阿部哲也】中国共産党の習近平指導部が進める「反腐敗運動」が国有石油大手にも及び始めた。中国石油天然気集団(CNPC)の経営幹部が相次いで摘発され、香港やニューヨーク市場に上場する子会社の株価が急落するなど、株式市場にも影響が広がる。「石油閥」を巡る権力争いも絡むとみられ、習指導部が汚職撲滅にどこまで踏み込むか、政治、経済両面で関心が高まりそうだ。
しかも汚職退治を通じて独裁権力を築こうと狙う習金平は、共産党の大実力者の周永康だけではなく、前首相の温家宝間で狙いを定めており、江沢民の影響力を完全に抹殺しようとしているのである。
http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-1075.html
中国「石油閥」に手を突っ込んだ習近平
中国共産党の「奥の院」では想像を絶する権力闘争が行われているようです。
中国当局が、前共産党政治局常務委員で「石油閥」の重鎮・周永康氏とその親族、部下の資産900億元(1兆4800億円)相当を差し押さえたようです。
過去4か月の間に周氏の親族、側近、部下など300人以上が徹底的に取り調べられており、周氏本人も自宅軟禁となっているようです。もともと周氏の「不正蓄財」は1000億元といわれていたので、ほぼ目標に近い資産を差し押さえたようです。中国では最高指導部の一員であっても胡耀邦、趙紫陽・両元総書記のようにいわゆる「政変」で失脚した例はありますが、汚職問題での摘発は陳希同・元北京市書記、陳良宇・元上海市書記、薄煕来・元重慶市書記ら、常務委員より格下の政治局委員クラスまででした。
つまり周永康氏本人が汚職で摘発されれば今までの最高位となります。習近平総書記は腐敗摘発については「虎もハエも叩く」と意気込んでいますが、本音は共産党の腐敗一掃というよりも巨額利権の塊・「石油閥」のコントロールという大変に野心的な行動のはずです。中国は、サウジアラビア・ロシア・米国に次ぐ世界4位の石油生産国です。「石油閥」とは中国共産党内の代表的経済派閥で、毛沢東時代に中国最大の大慶油田(黒竜江省)の開発責任者だった元副首相・余秋里が始祖とされます。中国は1988年に石油工業省を解体して中国石油天然気集団(CNPC)を設立、中国石油化工集団、中国海洋石油総公司(CNOOC)を含む国有3社体制を確立しました。
各社の人事は共産党が握っているのですが、実際には有力OBが3社の人事を身内で独占しており、共産党内部に大きな政治力を持つ「石油閥」を形成しています。2002年以降は「石油閥」出身者が必ず政治局常務委員となり、胡錦濤時代の2002年〜2007年には曾慶紅(本年1月に息子が米国で拘束されたようです)、2007年〜2012年には件(くだん)の周永康、現在の習近平体制では張高麗と続きます。この国有3社体制とは、中国政府である国有資産監督管理委員会が3社の株式を100%保有し、その傘下にそれぞれ上場子会社があります。しかし上場会社であるペトロチャイナは中国石油天然気集団が86%を保有し、シノペックは中国石油化工集団が76%を保有し、中国海洋石油(CNOOC)は中国海洋石油総公司が64%を保有しています。
上場会社では最大規模のペトロチャイナは、2000年に香港とNY市場で過去最大級の株式上場を果たしました。3社の上場子会社に優良資産を集めるなどで時価総額を拡大し、巨額の資金調達を可能にしていますが、支配権は中国政府が完全に握ったままです。
ペトロチャイナが石油・ガスの開発・生産、シノペックが石油精製と石化製品生産、中国海洋石油が海底油田の探査と、うまく棲み分けて利益を独占する体制になっています。またシノペックックの年間売り上げは40兆円に近く、石油関連では世界最大級のエクソンモービルとロイヤル・ダッチ・シェルに肉薄しています。 しかし昨年9月にペトロチャイナの幹部数人が「重大な規律違反」で拘束され、株式市場に動揺が走りました。
これが「石油閥」で、まさに「紅いメジャー」なのです。
周永康氏に話を戻しますが、決着は「周永康だけを摘発して石油閥は健在」「習近平が石油閥をコントロールする」「石油閥の反撃で習近平がダメージを受ける」の3択でしょう。2番目の可能性はほとんどなく、たぶん1番目ですが、3番目の可能性も少なからずあります。
それにしても中国は汚職でもケタが違います。汚職とは違うものの日本では渡辺・みんなの党代表が8億円もの政治資金を借り入れておきながら、個人の借り入れだったとか、熊手を買ったなど「珍説明」を繰り返すのをみていると、同じ悪でもスケールが違いすぎます。周氏を虎とすれば、渡辺氏は何なのでしょうね?
でも日本の捜査当局は「見送って」しまうようですよ。
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1445.html