3.11の首都圏は大混乱だった/(C)日刊ゲンダイ
小笠原諸島・西之島 斜面崩落リスクで早まる首都直下地震
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2014年8月21日 日刊ゲンダイ
東京・小笠原諸島の西之島新島の噴火、拡大の勢いが止まらない。
東大地震研究所の前野深・助教らのチームは、「このまま溶岩の流出が続けば斜面が崩落する可能性がある」との分析を発表。島の東側斜面で、総体積の約4分の1にあたる1200万立方メートルが崩れた場合、東に約130キロ離れた父島に高さ1メートル超の津波が到達するという。
「昨年11月に小笠原諸島で起きた噴火によって『新島』が出現。この時の噴火は3・11の影響で太平洋プレートの滑り込み速度が加速し、フィリピン海プレートに潜り込んだ際、爆発して起きたとみられています。12月末に西之島とつながった後も、マグマの供給は活発です」(火山学者)
■東京ドームの約18倍
国土地理院によると、体積は先月末時点で、約2220万立方メートル、東京ドームの約18倍になる。
出現から9カ月、膨れ上がる新島に、専門家は「不思議だ」「不気味だ」と首をかしげている。来るべき「首都直下地震」への影響を指摘する声もある。
「太平洋プレートの移動速度は震災前の年間10センチから3〜4倍の30〜40センチに加速。一方、フィリピン海プレートは年間4センチしか移動せず、押されっ放しです。双方の境界に生じる過重なストレスが、フィリピン海プレート上に位置する新島の噴火を促し続けているのです。この影響で太平洋プレート側の小笠原諸島の周辺や伊豆諸島一帯はここ最近、毎日のように地震が起きています」(立命館大環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所の高橋学教授)
連日の地震によるストレスが、太平洋プレートの真上にある東京都を襲う首都直下地震の発生リスクを高めるという。
「太平洋プレートの激しい移動が止まらない限り、新島噴火もおさまらないし、地震への影響などリスクは減らないのです」(高橋学教授)
高橋教授によれば、西之島の崩壊による津波の影響は計り知れず、東京湾に到達する可能性もあるという。