http://gigazine.net/news/20140122-hdd-survival-rate/
ハードディスク(HDD)の寿命傾向や価格の展望を業務上で蓄積されたデータから発表してきたオンラインストレージサービスを提供するBackblaze社が今回新たにメーカー別のHDDの壊れやすさに関するデータを公開しました。
Backblaze Blog » What Hard Drive Should I Buy?
http://blog.backblaze.com/2014/01/21/what-hard-drive-should-i-buy/
今回比較したのはSeagate・Western Digital(WD)・日立の3メーカー。データは、2万5000台以上のHDDの調査結果から算出されているとのこと。
これが具体的なHDDのメーカー別の数字。東芝製・サムスン製については母数が少ないため今回は検討から除外しています。
なお、今回のデータの基になった、Backblazeが運用している180TBのストレージマシン「Storage Pod」はこんな感じです。
180 Terabytes of Good Vibrations - Backblaze Storage Pod 3.0 - YouTube
このStorage Podでは、「Western Digital Green」の3TBモデルや「Seagate LP」の2TBモデルなど一部の低消費電力モデルではトラブルが極めて多いことから、公平性の観点によりデータから除外しているとのことです。
◆通年エラー発生率
HDDの信頼性を測る基準として、1年間の稼働でエラーを発生させる割合である「通年エラー発生率」を表示したのがこちらのグラフ。日立の信頼性の高さと、Seagateのエラー発生率の高さが対照的です。
上のグラフに関するより詳細なデータはこちら。Seagateの「ST31500341AS」モデルのエラー発生率が25.4%と飛び抜けて高いことが分かります。これは通称「F3」と呼ばれるモデルです。
比較的エラー率の高いSeagate製の1.5TBモデルの中でも、省電力モデルである「Barracuda LP」に比べて7200回転のモデル「Barracuda 7200」はエラー発生率が高め。
Seagateの大容量モデルは従来の1.5TBモデルを継承していて比較的安定性が高いものの、経年劣化によるエラー発生の兆候が見受けられるそうです。
「適正価格ならば」という条件つきで、Backblazeの断然おすすめは日立製のHDD。エラー発生率の低さは特筆ものとのこと。
Backblazeは以前、WDの1TBモデルをよく採用していたのですが、これらのHDDは4年経った現在も問題なく稼働しているものが多いと言います。「Western Digital Red」の3TBモデルの信頼性の高さは折り紙付きなので採用したいものの、値段が高いのでまだ完全には移行できていないということです。
◆重大トラブル発生率
Backblazeは、エラーが発生したとしてもPC自体は継続して使用可能なこともあり、また、RAIDを構成している場合ならシステムの運用が停止するというような深刻な事態に陥る割合は、エラー発生率に比べて小さいとしています。そこで、システムが動作できないような重大なトラブルが発生する割合のデータがエラー発生率とは別に重要になってきます。重大トラブルの発生率は以下のとおりであり、ここでも日立製HDDの優秀さが際立っています。
◆時系列生存率
以下のグラフは、3年間におけるHDDの生存率の変化を表すもの。1年半あたりからSeagateの生存率が著しく低下していることが分かります。
Backblazeでは、現在、Storage Podに4TBの大容量HDDを安定稼働させることに注力しており、ストレージとしてSeagateの4TB・HDD(ST4000DM000)で運用をしているとのこと。しかし、SeagateのHDDは、時間が経つと突然トラブルを生じさせることが多いので今後も注視していく予定としています。
Backblazeの今回公開したデータからは、日立製のHDDが最も壊れる割合が低く信頼性が高いと言えそうです。なお、最も信頼性が高く「買い」と評価された日立製HDDですが、2013年に日立はWDにHDD事業を売却したため、日立のHDD事業は現在はHGSTとしてWD傘下でHDDを供給しており、今後もその信頼性を高く維持できるのかは予断を許しません。
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/900.html