イラク、クルド部隊が北部主要都市掌握―無政府状態が深刻化
ウォールストリートジャーナル 2014 年 6 月 13 日 03:33 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304826804579620473605622710
原文(英文)
AP
【バグダッド】イラクのクルド自治政府の治安部隊は12日、石油資源豊富な北
部キルクーク県の首都を掌握した。イスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」はシーア派の聖地2都市への進攻を宣言するなど、イラクは全面的な無政府状態に陥りつつある。
キルクーク県知事事務所の職員によると、クルド自治政府の治安部隊は県都キルクークの主要政府施設を掌握した。マリキ首相率いるシーア派主体のイラク中央政府の部隊は、スンニ派武装勢力の進攻を恐れてキルクークの基地から撤退した。
ISISは国際テロ組織アルカイダ系の武装組織で、キルクーク県西部を依然制圧しているという。
ISISはこの3日間で電撃的に勢力を拡大。イラクは米国などによる2003年の侵攻後に発生した宗教対立以来の危機にひんしている。
米政府関係者は11日、空爆の可能性への言及を控えた。ある政府関係者によると、オバマ政権は複数の選択肢を検討しているが、まだ結論は出ていない。
クルド自治政府の治安部隊がキルクーク県への展開を決めたのは、イラクが無政府状態になりつつあることを示す最新の兆候だ。キルクーク県ではクルド人が多数派を占める。イラクの総人口3250万人に対するクルド人の割合は約20%だ。
これとは別にISISは12日、カルバラとナジャフに進攻すると宣言した。両都市はイラクの人口の6割を占めるイスラム教シーア派の住民にとって、メッカ、メディナ(サウジアラビア)と並ぶ聖地とされる。
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