シリア・アレッポ(CNN) 焼けたプラスチックの臭いが鼻を突く。一帯に刺激臭が立ち込め、壁や屋根を吹き飛ばされた建物や、がれきの散乱する通りが続く。かつてシリアの商業中心地として栄えたアレッポの街は、2年に及ぶ砲撃で変わり果てていた。CNN取材班は1年10カ月ぶりにアレッポ入りし、惨状を目の当たりにした。
アレッポの窮状に対する世界の関心は薄れ、反体制派の過激組織がいずれ欧州に矛先を向けるかもしれないという不安の方が脚光を浴びるようになった。反体制派と国際社会が分裂する中で、アサド政権は崩壊寸前まで追い込まれながら、ロシアとイランの支援によって息を吹き返したように見える。
政権側は、たるに爆発物や金属片を詰めた「たる爆弾」を使い、人が集まる場所を見つけてはヘリコプターから投下してきた。
被害はすべての建物に及んでいる。活動家によると、攻撃はさらに悪質になり、最初の爆弾を投下してから10〜30分後、被害者を助けようと人が集まって来たところを狙ってもう1発の爆弾が投下されるようになった。
自宅を破壊された住民は別の地域に移り住んだが、ここ数週間は、そうした住民の移転先の地域が集中的に狙われている。
未明に爆撃を受けた現場では、住民たちががれきをかき分けている最中だった。
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住民の男性によると、午前1時ごろ、2発の爆弾が10分間隔で投下され、6〜7人が死亡、数十人が負傷した。死があまりに日常茶飯事になっていることから、犠牲者の正確な数を数えようとする人はいなくなった。がれきの中からは枕や毛布などの日用品が掘り起こされ、持ち去られて行った。
政権側が、アレッポに残った人をすべて反体制派かその支持者とみなし、たる爆弾を使って一掃しようとしているのは明らかだ。
同時に周辺の道路の封鎖も始まり、住民の間には、数カ月に及ぶ砲撃で飢えに苦しんだ末に降伏に追い込まれたホムスと同じ運命をたどるのではないかとの不安が広がっている。国際援助団体は緊急会合を開き、住民の避難や食料援助などの準備を始めた。
その間にも犠牲者は増え続けている。シリア出身の英国籍の男性は6週間前の砲撃で左足を負傷した。
「上空に飛行機が見えて身をかがめたところへ爆弾を浴びせられた」「次に目を覚ますと足の感覚がなかった。周辺は燃えていた。私はやけどを負って病院に運ばれたが、彼らにできることはあまりなく、片足は皮膚がすべてはがれていた。夜も眠れず、耐えられない」と苦痛に顔をゆがめながら証言。「ここは地獄だ。街は壊滅した」「人も猫も昆虫も、何もいなくなった」と語った。
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女性たちは頭からつま先まで覆い隠す服装をするようになり、顔を隠す人も増えた。何者かに狙撃されたという13歳の少女は、夫に知られれば殺されるという理由で、カメラの前で話すことを拒んだ。
インフラも破壊されて水道の供給はほとんど止まり、水不足も深刻化している。商店は営業しているところもあるが、ほとんどの店が、人が集まる場所を狙う政権の攻撃におびえている。
病院のベンチで話を聞いた2人の子どもは、この状況にはもう慣れたと話した。
自宅でアニメを見ていたところを狙撃されたという男の子は、弾丸が胃を貫いて体内で破裂し、腹部と背中に重傷を負った。母親は、「なぜ息子が撃たれたのか。子どもだと分からなかったのか」と涙を流す。
郊外では膨大な量のごみが燃やされていた。活動家は、石油を精製して反体制派に資金を供給するためにプラスチック燃やしていると説明する。生きるための戦いが、生きることを不可能にしているようだった。
http://www.cnn.co.jp/world/35049192.html?tag=cbox;world
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/197.html