“ワンみずほ”のはずが5分裂 加速する「みずほFG」派閥抗争
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2014年6月4日 日刊ゲンダイ
佐藤FG社長は「ワンみずほ」と言うが…/(C)日刊ゲンダイ
マル暴融資で揺れたみずほFGは、今月24日の株主総会で委員会等設置会社に移行。社外取締役を6人に倍増し、取締役会議長に元経済財政相の大田弘子・政策研究大学院教授を起用してガバナンス強化を図るという。だが、取締役会に手を付けても、この銀行の体質はそう簡単には変わらない。“お家芸”の派閥抗争が、むしろ悪化しているからだ。
「昨年7月に、みずほ銀行(BK)とみずほコーポレート銀行(CB)が合併。『One MIZUHO(ワンみずほ)』の旗印を掲げて行内融和が叫ばれました。あれから1年。行内はいまや5分裂になり、ワンバンクどころか5バンク(ファイブバンク)状態です」(関係者)
■「F」「D」「I」に加えて「B」「C」
2000年に旧富士銀(F)、旧第一勧銀(D)、旧興銀(I=英語名のINDUSTRIAL BANKの略)の3行統合で発足したみずほは、長年たすき掛け人事を続け、3派閥が激しい人事抗争を繰り広げてきた。くだんのマル暴融資が放置された背景にも3派閥の権力争いがあったと言われたものだが、これに新たに「旧BK」「旧CB」の2派閥が加わり、5分裂になっているというのだ。
「3行統合で、旧Fと旧Dの流れをくむリテールの『旧BK』と、旧Iに連なる法人向けの『旧CB』ができ、その体制は10年以上続いたわけです。統合後に入行した1期生はいまや30代半ばのバリバリの中堅で、支店から本部に戻ってきている。彼らが最初の配属先による色分けで、おまえは『B』だ、おれは『C』だ、とやっているのです」(前出の関係者)
統合から14年で、元の3行より派閥が増殖とはア然である。
「ストックビジネスである銀行は、預金さえ集めていればある程度の利益は出る。だから行員は人事争いが最大の関心事になるのです。それはベテランも中堅も変わりません」(経済ジャーナリストの大山功男氏)
みずほは3メガバンクの一角を占め、規模では2番目なのに、収益力は3番目。時価総額でも、三菱UFJや三井住友に負けている。市場関係者からは、「常に派閥抗争でゴタゴタしているので株を買いにくい」という声も聞こえる。
いつになったら「ワンみずほ」になれるのやら……。