<南海トラフ地震>愛知、浸水3万7000ha…県試算
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140530-00000098-mai-soci
毎日新聞 5月30日(金)21時37分配信
愛知県は、南海トラフ巨大地震が発生した場合の県内の被害想定を独自で試算し、30日に公表した。最悪の想定で深さ1センチ以上の浸水面積は3万7000ヘクタールと、国の想定の3.7倍に拡大。津波や浸水による死者数は国想定から倍増し、建物倒壊などによる犠牲者も含め2万9000人(国想定2万3000人)とした。最悪想定より被害が少ない過去の巨大地震を基準にした場合は5分の1の6400人になるが、経済被害は16兆8600億円に達するとした。一方、発生直後に避難し、既存の津波避難ビルを有効活用するなどの対策をとれば、死者が6割減るなどの減災効果も示した。
国が2012年に公表したマグニチュード(M)9級の想定を基に、より詳細なデータを取り入れて試算した。「1000年に1度かそれ以下」で発生する最悪ケースのほか、100〜150年間隔で起きている大地震を基準にした想定もまとめた。県は過去の大地震を基準に今後の対策を検討する。
最悪ケースでは、震度7の最大震度を観測する自治体は、国想定の22市町村から32市町村に増えた。
浸津波や浸水による死者が最も多いのは、名古屋市の3400人、次いで西尾市の1600人。浸水や津波による全壊建物の数も国想定の8.5倍の2万2000棟に膨らんだ。揺れや火災、液状化などによる被害を合わせた全壊数は計38万2000棟に上るとしている。【町田結子】