デタラメ、新しい放射線副読本その14―100mSvで癌は0.5%増加―
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めげ猫「タマ」の日記
文部科学省は2月に新しい「放射線副読本」を公表しました(1)。そこには事実と異なる内容や事実を誤解されてる内容が沢山含まれています(2)〜(13)。「(3)放射線量と健康との関係」の項(12ページ)に
「ICRP では、100mSv を受けたとすると、がんで亡くなる可能性がおよそ 0.5 %増加すると仮定」
との記述がありました。(=^・^=)なりに調べてると、ICRPが設定した癌のリスク係数は
5.5×10-2>Sv-1
で(14)、100mSv(0.1Sv)では0.5%でなく、0.55%になります。明らかに少なめの数値を記載しています。
また「これまでのところ、被ひ曝ばくをした人の子孫に放射線の影響が伝わるといった確かな証拠も得られていません。」なんて記述がありました。でもICRPは1Svで0.2%の遺伝リスクがあるとしています。私たちはお母さんとお父さんからそれぞれの形質について1個づつ「遺伝子」を貰っています。遺伝子には2個中1個で現れる優性遺伝と2個揃わないと現れない劣性遺伝があります。色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum ; XP )は、紫外線により生じるDNA損傷の修復に欠損のある常染色体劣性遺伝性が引き起こす病気ですが、お父さんとお母さんからXPの遺伝子を貰わないと発病しません(15)。
図ー1 色素性乾皮症(XP)の遺伝と発病
劣性遺伝と放射線につて
「劣性突然変異は最初の2〜3世代では殆ど影響しないが、その後の世代に徐々に遺伝的障害が蓄積し、発現する。一方、糖尿病などの、人の病気の多くは環境要因と遺伝的要因とが複合して発現しており、これを「多因子性疾患」と呼んでいる。多因子性疾患が、放射線による遺伝的影響としてどの程度増えるかは現時点ではまだ見積られていない。人間での直接的なデータとしては、広島・長崎の原爆被ばく者子孫のデータが唯一のものであるが、現在までのところ遺伝的影響は観察されていない。」
との記述(16)を見つけました。たしかに新しい放射線副読本の通り「被ひ曝ばくをした人の子孫に放射線の影響が伝わる」確たる証拠はありませんが、劣性遺伝に関して言えば「調べられていない」ので、「確たる証拠」が無いみたいです。
<余談>
劣性遺伝に関し(=^・^=)は心配な事があります。放射線量の高い福島県川俣街では男の子が生まれなくなっています(17)。
(a)男女別赤ちゃん誕生数 (b)川俣街の放射線量
※(17)を引用
図―2 福島県川俣町の赤ちゃん誕生数と放射線量分布
広島や長崎に原爆が投下された頃は
「男児の唯一のX染色体は母親に由来するので、母親が放射線に被曝した場合にはX染色体の劣性致死突然変異により女児の割合が多くなり、反対に父親が被曝した場合にはそのX染色体は女児だけに伝えられるので男児の割合が多くなると考えられていた」
そうです(19)。X染色体にある遺伝子は、男の子はお母さんから1個しか貰いません。お母さんからもらうX染色体に悪い遺伝子があれば、優性遺伝でも劣性遺伝も男の子に現れます。そして胎児のうちに無くなってしまうとの想像です。優性遺伝は調査されてる(17)ので、悪い遺伝子は劣性遺伝の可能性が高いと思います。
そこで放射線影響研究所(当時はABCC)が調査をしたそうです。そしたら
「1948年から1953年にかけて収集された原爆被爆者の子供に関する初期のデータは、この理論上の予測と一致していたが、統計的に有意ではなかった。」
そうです(18)。
同じような現象は、福島原発事故直後の被ばく線量が多い福島県飯館村でも原発事故直後に妊娠したと思われる赤ちゃんが生まれる2011年12月くらいから認められました。
※(20)を集計
図―3 飯館村の赤ちゃん誕生数
飯館村の方々は、その後は避難され、大きな被ばくはしなくなった思います。そしたら、事故後3年近くから元の様に男の子も女の子も生まれるようになりました。放射線影響研究所(当時はABCC)が調査は投下から3年たった1948年に始まっています。男と女の赤ちゃんの割合の異常を見つけられる調査ではありません。
福島で「劣性遺伝」が蔓延していないか、(=^・^=)は心配です。
先生に
「劣性遺伝に関してどんな調査がされたんですか」
て聞いてみてください。そしてどんな答えか書き込みをお願いします。
新しい「放射線副読本」のデタラメぶりは本稿だけではありません。これまでの記事を記載します。
@めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その1―野菜・果物は基準超えなし―
Aめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その2―いじめが起こった―
Bめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その3―原発を止めて電力制限―
Cめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その4―放射線量が高いから避難―
Dめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その5―放射線はいろいろ使われている―
Eめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その6―放射性物質拡散は水素爆発で起こった―
Fめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その7―放射性物質は西側に広がった―
Gめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その8―暫定基準は守られた―
Hめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その9―福島の子供はのびのび遊んでいる―
Iめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その10―ガンマ線は電波と同じ―
Jめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その11―ベクレルは放射能の強さ―
Kめげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その12―汚染源からの距離が2倍なら放射線量は4分の1―
―参考にさせていただいたサイト様および引用した過去の記事―
(1)新しい放射線副読本について:文部科学省
(2)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その1―野菜・果物は基準超えなし―
(3)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その2―いじめが起こった―
(4)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その3―原発を止めて電力制限―
(5)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その4―放射線量が高いから避難―
(6)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その5―放射線はいろいろ使われている―
(7)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その6―放射性物質拡散は水素爆発で起こった―
(8)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その7―放射性物質は西側に広がった―
(9)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その8―暫定基準は守られた―
(10)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その9―福島の子供はのびのび遊んでいる―
(11)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その10―ガンマ線は電波と同じ―
(12)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その11―ベクレルは放射能の強さ―
(13)めげ猫「タマ」の日記 デタラメ、新しい放射線副読本その12―汚染源からの距離が2倍なら放射線量は4分の1―
(14)(ICRP)2007年勧告(Pub.103) - 原子力規制委員会の69ページ
(15)めげ猫「タマ」の日記 福島で「タイヨウのうた」(XP)が5倍に?―(=^・^=)は心配です―
(16)放射線の遺伝的影響 (09-02-03-04) - ATOMICA -
(17)めげ猫「タマ」の日記 女の子しか生まれない福島県川俣町
(18)被爆者の子供における男女比(1948−1962年の調査) - 放射線影響研究所
(19)めげ猫「タマ」の日記 6月も女の子しか生まれない・福島県飯館村
(21)福島県の推計人口 - 福島県ホームページ