戦後レジームからの脱却、安倍晋三首相も試みて失脚するのか
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2014-04-22 23:04 戦後史の激動
戦後レジームからの脱却。我が国の為政者にとってもっとも大きな課題が「アメリカとの関係」です。安倍晋三首相と「日米首脳会談」を行うため、アメリカのオバマ大統領が明日来日します。ニュースではその警戒態勢の準備などを報じていますが、別の警戒を促すのは『週刊大衆』(5月5日号)の記事。強気な政権運営に、「親分」であるオバマ大統領の不信感は爆発寸前だというのです。題して「田中角栄もこうして潰された!米国オバマが放つ『安倍殺し』刺客」。
同誌の記事は、安倍首相の態度はオバマ大統領の逆鱗に触れているから、田中角栄のようになるかもしれないという趣旨です。
しかし、田中角栄と安倍晋三。
自由民主党以外の接点が見当たりません。
そもそも、安倍晋三氏の出身派閥は清和政策研究会。旧日本民主党の「反・吉田茂」路線を起源に持つタカ派派閥。
片や“親米”の吉田茂派を起源に持ち、佐藤栄作派の流れを汲むもうひとつの保守本流である田中角栄オーナーの七日会とは交じり合わない関係にあります。
しかし、日本国内の対立がどうあれ、アメリカにとって日本の為政者はしょせん誰でも子分にすぎない。
アメリカにとって都合の悪い振る舞いをした為政者は、何派だろうが何党だろうが関係なく失脚させる、という恐怖の構造を暴いたのが『永田町抹殺指令』(双葉社)を書いた鈴木文矢氏です。
永田町抹殺指令!嵌められた政治家たち
作者: 鈴木 文矢
出版社/メーカー: 双葉社
発売日: 2012/10/17
メディア: 単行本(ソフトカバー)
このブログ「戦後史の激動」では、すでに同書について、「「永田町抹殺指令」が明かした橋下徹氏の真実」「あの政治家はどうして“抹殺”されたのか」などで書きました。
『永田町抹殺指令』とは、過去、田中角栄、中川一郎、橋本龍太郎、中川昭一、小沢一郎、鳩山由紀夫の大物政治家が、「戦後レジームからの脱却」を試みてアメリカの逆鱗に触れ、失脚させられたことが書かれています。
『永田町抹殺指令!嵌められた政治家たち』(双葉社)の著者鈴木文矢氏がこう述べています。
「日本の法律は主権在民を担保していますが、『日本 権力構造の謎』の著者であるオランダ人学者、K・V・ウォルフレンが指摘するように、政治システムの大部分は法的な枠組みを超えています。
実質的に日本を支配しているのは、永田町の政治家や、霞が関の官僚、そして記者クラブのメディアなどですが、こうした支配層の最上位に君臨しているのが“アメリカ政府”なんです」(『週刊大衆 ミステリー増刊 戦慄』で鈴木文矢氏)
大物政治家たちはどうして失脚させられたか。いずれも
アメリカの軍事や経済を脅かす提案を行った
という共通した“粗相”があります。
しかし、安倍首相は、繰り返しますが、田中角栄らソ連(現ロシア)とも中国ともうまくやっていこうというよりも、比較的タカ派色が強く、親韓・親台に独自の人脈を持っています。
一見軍事同盟としてはむしろアメリカにとって都合が良さそうですが、しかし、現在の安倍政権のウルトラ・ライトぶりが、オバマ大統領とは「水と油」というのです。
安倍晋三首相もオバマ大統領に対しては腹蔵あるようで、昨年9月、シリア空爆問題を巡って世界中が揺れていたとき、同盟国としての協力要請を、「国連安保理で議決されれば協力する」などと、できない条件で突き放しました。
その上、再三の中止要請を無視して靖国神社を強行参拝。アメリカは「失望した」と怒りをあらわにしました。
安部首相の場合は、前出の政治家たちと違って、右側からアメリカとの関係を変えることを試みたということでしょうか。
しかし、オバマ大統領も黙っちゃいません。意趣返しで、今回の来日で宮中行事ができないように1泊2日で済ませようと画策。夕食会もゴネたことなどが同誌に書かれています。
「米国が本気で潰しにかかれば、安倍首相も過去の政治家と同じく、失脚させられる可能性がある」(同誌で鈴木文矢氏)といいますが、もしそうなった場合、ネトウヨがどう反応するのかも正直興味深い。
同誌には、前出の政治家たちが、どのような「抹殺理由」で「どう潰されたか」なども書かれています。
いずれにしても、日米関係を知るよすがとなる興味深い記事だと思います。
週刊大衆 2014年 5/5号 [雑誌]
作者:
出版社/メーカー: 双葉社
発売日: 2014/04/21
メディア: 雑誌