「慰安婦は売春婦と認めよ」と主張しているヒトがどこの国の人かわからないが、そういう奇妙な主張をしているヒトの思考回路がわからない。
慰安婦は、慰安婦になった経緯や慰安婦として対価の支払いや身の保全が受けられたのかといった問題はあるとしても、売春婦であることは間違いない。
慰安婦を“性的奴隷”と定義する人も、“極限的な過酷状況”にあった売春婦であることは否定しないだろう。
【引用】
「「もうこれ以上、世界に向けて嘘をつくのはやめましょう。元売春婦たち」と題されたそのサイトには、「慰安婦は強制動員ではなく志願募集であり、月平均給与は700〜1500円」などと書かれている。当時の慰安婦を募集する求人広告などの画像もある。サイト制作者は、こういった事実を明らかにする活動に賛同する人の署名を求めている。」
【コメント】
こんな話を持ち出して、「従軍慰安婦」問題をチャラにしようとしたり、日本政府に責任がないといったような雰囲気を醸すことはやめたほうがいい。
現在の“先進諸国”の考えは、「より望ましい稼ぎ方として本人の自発的意志で売春を行うことは自由」だが、「娘が家族のために不本意ながら売春に従事しなければならない状況を放置することは国家として恥」というものである。
ましてや、「従軍慰安婦」は、勤務場所は戦地で、日本軍の管理下に置かれ、身の安全は保障されないなどといった契約を結んでいれば別だが、通常の売春事業とは条件がまったく異なる。
「月平均給与は700〜1500円」といったところで、日本国内の女郎屋と同じで、そこから部屋代・飲食費などを差し引かれるためたいしたカネは残らない。親が前借りをしているケースも多いから、身を粉にして売春に励んでも手元にカネが残らない女性がほとんどである。
しかも、軍票や日本が発行した紙幣を受け取って貯めていたとしても、敗戦でそれらはチャラになっている。それ以上に、中国国内はまだいいとしても南方を勤務地とした慰安婦は、日本の敗色が濃くなるなかで身の危険にさらされている。最後の報酬さえもらえず、着の身着のまま逃げて連合国軍に保護されれば幸運というレベルの処遇である。
「従軍慰安婦」制度を作り運営した日本軍・日本政府については、必要悪を行ったとは思うが、他の国々と比べてことさら悪いことをしたとは思っていない。
それでも、軍及び政府という国家機関が関与していたのだから、「従軍慰安婦」制度に問題点があったのなら、きちんと謝罪すべきだと思う。
週刊ポストのように、「ついに韓国人自身が歴史的事実に目を向ける時が来たのだろうか。だが、事態は意外な方向に進んだ。いや、韓国人からすれば、極めて当然の方向であろう。猛烈なバッシングと犯人探しが始まったのである」 といったノーテンキなことを書いてもこの問題を終息させることはできない。