外国人労働力について
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52568203.html
2014年04月07日 在野のアナリスト
みんなの党、渡辺代表が辞任を表明しました。借りた資金の大部分は妻の口座にあり、返したことで会見を開いた、ということで、代表は辞任しても議員辞職はしない、とのことです。しかし選挙資金といって借りた金を、ナゼ妻の口座へ? それは資産公開で自身を清貧だと言い張るためだったのか? 妻は『保守的』につかう、としていますが、政治資金として借りたお金なのですから、妻が『保守的』であろうと使ってしまっては、信義に欠けます。妻は政治家ではないのですから、何のために使う? という問題があります。そもそもこの構図、猪瀬前都知事に似ます。
また代表辞任は何のため? 問題ないなら、きちんと説明責任を果たして代表に留まるべきであり、世間を騒がせたことが問題なら、今後もその問題はつづくことにもなります。むしろ一時的に退いておいて、ほとぼりが冷めた頃、復権する気がミエミエです。みんなの党がガタガタで、辞任でお茶を濁し、党勢回復をはかるというなら、国民はかなりコケにされている。この会見ではまったく説明責任も果たせず、『無責任野党』に転落した、これがみんなの党の現状です。
日豪EPA交渉が大筋合意しました。豪国はTPP参加国であり、TPPの進展の前にEPAを合意しておくことに意義があった、とみられますが、これはTPPの援護射撃にすらなりません。年を経て関税を18〜23%に引き下げますが、米国が数%にまで引き下げるよう要求し、それが通ってしまえば、豪国も日本側に更なる引き下げを要求してくる。むしろそうした要件を含みつつ、今回合意したとみられるためです。EPA合意よりTPPの妥結を優先、という一項が入るだけで評価は異なってきます。
安倍氏の経済オンチぶりは、建設業の人材不足に外国人労働者、家事に外国人労働者、などの発言にもよく表れます。景気対策で行う公共工事に外国人労働者を雇えば、国内への波及効果が限定されます。また外国人家政婦を、低賃金労働者と受け止めているなら、米国で起きているベビーシッターの虐待問題を検証するべきです。そうして虐待をうけた子供が、トラウマを抱えてその後の人生が狂えば、誰が責任をとるのか? 全員がそうではないとしても、格差を感じて鬱憤もたまれば、弱い子供が狙われ易いのです。埼玉の事件は決して他人事ではありません。
安倍政権のうつ施策は、企業目線のものばかりです。外国人労働者を使うのは、安価な労働力を、一時的に使いたいとの欲求でしかありません。国民にそれが行き渡らなければ、内需は一向に改善せず、景気浮揚もない。業績が上がっても賃上げへの波及が低いのは、国の施策の方向性が間違っているため、なのです。その反省もなく、安易に外国人労働者を受け入れれば、本国への送金が増えて円安にもなる。この動きには、そんな不純な動機も見え隠れするようです。
労働需要があるなら、国内でどう賄うか? が第一にくるはずです。最低賃金ぎりぎりで働いている人が、育児のため家政婦を雇うなんてムリ。ならば、それ以上の低賃金で雇えばいい、は発想が間違っているのです。責任野党、ともち上げた政党が、次々に安倍政権と距離をおく形になるのも、安倍氏に見る目がない、ということでもあるのでしょう。経済政策でも、成長戦略は落第とされる中、政策オンチはその眼力に問題がある、という見方をしておかないと、今度は国民の眼力が問題視されることになりかねないのでしょうね。