DHC会長「渡辺氏はウソつき」 みんな、維新…「責任野党」が総崩れ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20140331/plt1403311150001-n1.htm
2014.03.31 夕刊フジ
入閣の噂もあった渡辺氏
みんなの党の渡辺喜美代表が、8億円借り入れ問題で崖っぷちに立たされた。「熊手釈明」で失笑を買ったうえ、融資した化粧品販売者「ディーエイチシー」(DHC)の吉田嘉明会長に「ウソつき」呼ばわりされ、信頼失墜が甚だしいのだ。同党は日本維新の会とともに安倍晋三首相が「責任野党」と呼び、連携を模索してきた相手。維新の橋下徹共同代表(大阪市長)の求心力低下もあり、安倍首相は戦略見直しを迫られそうだ。
「誤解を解くことが必要なので、政倫審(衆院政治倫理審査会)も含めて対応していきたい」
みんなの党の浅尾慶一郎幹事長は30日、渡辺氏の政倫審出席について語ったが、すでに元東京都議が公職選挙法違反などの疑いで東京地検特捜部に告発状を提出しており、「誤解」では済みそうにない状況だ。
現に、DHCの吉田会長は報道各社のインタビューに、こう明言した。
「(私が)検査入院していた病室に渡辺氏が飛び込んできて、『維新と連携する。100人を当選させるために20億円が必要だ』と依頼された。その後、『5億円ですむ』となった」「貸し付け前には選挙の話しかしていない。当然、選挙費用という認識だ」「(合計)8億円もの大金を選挙や政治以外、何に使うのか。(渡辺氏は)ウソをついている」
国民や他党の視線も厳しく、みんなの党は解党危機すら迎えかねない。だが、ダメージを負ったのは同党だけではない。
安倍首相は、集団的自衛権の行使容認に積極的な維新、みんな両党を「責任野党」と呼び、慎重姿勢の公明党を牽制してきた。今国会閉会後の内閣改造では、渡辺氏の入閣も取り沙汰されていた。
橋下氏は求心力低下が目立つ
ところが、8億円問題が深刻化すれば、自民党とみんなの連携は頓挫しかねない。維新も、出直し市長選の“不発”で求心力が低下した橋下氏は大阪都構想実現のため市政に専念する意向で、連携実現は不透明だ。
政治評論家の小林吉弥氏は「安倍首相は、維新とみんなの賛成を得て、公明党の反対を中央突破し、集団的自衛権の行使容認に進む選択肢を探っていたが、これで難しくなった。公明党も強気になるだろうから、安倍首相としてはやりにくいだろう」と指摘している。