根本的な首都直下地震対策は首都機能移転
東海地震や東南海地震が予期されている名古屋などの都市部、工業地域についても同じことであり、震災対策として、まずは地域に密集しているいろいろな機能をより人口密度の低い地方へ移転することだと思う。
長周期地震対策がいろいろとされつつある様子だが、直下型地震対策にはならない。311の大地震、つまり、東北地方太平洋沖地震で大型建築物を支えていた地下杭の破損状況についての報道があったが、縦に入っている鉄筋がくの字に曲がっていた。これは、杭の上部が跳ね上げられて鉄筋が伸び、その後重力で杭の上部が落下した結果、伸びた鉄筋がくの字に曲がったとも解釈ができる。こういった被害は阪神大震災で多く観察されていて、座屈被害としてネットでもその写真を見ることが出来る。日本の土木学会は、この被害の原因を横揺れとしているが、主に大阪市大の研究者が衝撃的な縦揺れが原因ではないかと論文を書かれて指摘している。そして、衝撃的な縦揺れについてはほぼまったく対策がたてられていない。
今後、日本の針路としては、分散型中規模電源の地熱発電に頼っていくしかない。そうであれば、せいぜい10万人規模程度の都市になるように首都部を分散するしかない。もちろん、大型火力発電で100万人規模の都市を維持することは可能だ。しかし、同時にそれは直下型地震の影響を集中的に受ける危険性があるということでもある。
以前、確かNHKの番組だったと思うが、道路の片側にある程度建物から離して停車すれば建物火災が起こっても輻射熱によって車が炎上することがないという実験をしていたと思う。しかし、その実験自体がとても小規模なもので、多少火元が大きくなれば輻射熱による炎上は十分に起こると思えるものだった。つまり、都市部は、もし地震で道路が通れなくなれば、止められた車が火元になって道路自体が炎上してしまうことがあり得るし、その可能性はかなり高いはずだ。自分は、阪神大震災の時も、例えば長田地区で路上駐車された車が炎上した例があったはずだと考えているが、隠ぺいされているのかも知れない。
ともかく、大規模集中型電源は原発にしても火力発電にしても震災(地震)の影響を受けやすい。更に、原発にしても火力にしても長期的には無理だ。化石燃料輸入の問題や使用済み核燃料の問題がある。対して、地熱発電は日本の地方都市であればほぼどこでも可能であり、安定電源であることからほぼ問題なしに現状の送電網へつなげることが出来る。首都機能移転と地方での地熱発電開発をセットで進めるべきだと思う。
2014年03月09日19時10分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:44239
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