2月25日もダイオウイカが捕獲された。しかも、今回は兵庫県の日本海側、つまり、原発銀座の若狭湾の西側だ。これで、若狭湾の西側では今年2例目。若狭湾の東側、つまり、富山湾方面では今年既に4回見つかっている。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140225/k10015527201000.html
素もぐり漁師 ダイオウイカ捕獲
2月25日 19時08分
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201402/0006735697.shtml
但馬沖で最大級のダイオウイカ発見 引き上げ
そして、原因として言われているのが海水温の低下だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1300O_T10C14A2CR0000/
ダイオウイカ発見相次ぐ 日本海沿岸、水温低下が影響か
2014/2/13 10:12
>専門家は「例年に比べ日本海の水温が低いため、より温かい海面近くに上がってきているのではないか」と分析する。
しかし、どうも疑問がある。
今年は、今日水揚げされた但馬沖のほかに、上の記事によると、次のように5例ある。
>今年最初に見つかったのは、富山湾の氷見漁港に1月4日水揚げされた個体。1月中は続いて8日、新潟・佐渡沖で定置網の中を泳いでいるのが発見され、19日には新潟県柏崎市の海岸でダイオウイカのものとみられる足が見つかった。さらに21日、鳥取県岩美町の港にも沖合で網に掛かった個体が揚がった。佐渡沖では、前回から1.5キロ離れたところで再び網に掛かり、2月11日に水揚げされた。
そして、ダイオウイカの生態は次のようなものだという。
http://photo.sankei.jp.msn.com/kodawari/data/2014/02/14squid/
>国立科学博物館のコレクションディレクターで水産学博士の窪寺恒己氏によると、ダイオウイカは水深600m、水温6〜10度ほどの深海に生息し、小笠原諸島沖など温帯海域を好む。ただ、何らかの理由で対馬海峡を越え日本海に迷い込むことがあるという。
>日本海には、水深300m以深に「日本海固有水」と呼ばれる0〜1度ほどの冷たい水の層があるため、水深200m付近に上がれば生息できるとみられる。しかし、気象庁によると、例年の1月なら水深200mで7度前後なのに、今年は4度前後まで低下した。
>窪寺氏は、冷たい水で弱り、海面近くの温かい水を求めてさらに上がったものの安定した浮力を保てず、季節風で海岸近くに流されたのではないかとの見方を示す。
しかし、このページの上に表示されている日本近海の海流の図にあるように、日本海側には黒潮(暖流)である対馬海流が流れている。そして、一般的に海流の深さは数百メートルはあるという。
そもそも、「ダイオウイカは水深600m、水温6〜10度ほどの深海に生息」するのであれば、「日本海には、水深300m以深に『日本海固有水』と呼ばれる0〜1度ほどの冷たい水の層がある」ということなので、日本海にはもともとダイオウイカは生息せず、もっとずっと南の海から流されて日本海で発見されていることになる。
更に、サケガシラという深海魚がやはり水揚げされている。
http://www.asahi.com/articles/ASG2N5DL2G2NTZNB015.html
深海魚サケガシラ6匹が網に、環境の変化? 山口・萩
2014年2月20日21時49分
>山口県萩市沖の日本海で20日未明、深海魚サケガシラ6匹が定置網にかかった。リュウグウノツカイの仲間で、体長は1・6メートルから最長で2メートルあった。
>通常は水深100〜500メートルのぬるめの環境にいるらしい。
>昨年末から捕獲地点が南下しているという。
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20140222000059
京丹後・琴引浜に深海魚サケガシラ 発見者「海に変化?」
>写真で確認した府海洋センター(宮津市)の山ア淳部長は「府内でリュウグウノツカイの発見が相次ぎ、府外でもダイオウイカが各地で発見されるなど、今冬は例年になく深海魚の目撃が多い」と話す。
以下、深海魚が数多く発見されていることについて、多分最もよくまとまっている記事を丸ごと引用する。
http://mainichi.jp/select/news/20140216k0000m040001000c.html
海の異変:定置網に深海魚 地震におびえる漁師 松江
毎日新聞 2014年02月16日 02時30分
松江市美保関町の沖合にある定置網でこの冬、深海魚が相次いでかかっている。専門家は日本海の低温が影響している可能性があるとみるが、詳しい理由は分かっていない。「見つかると地震が起きる」との言い伝えもあり、漁師たちは海の異変を感じているようだ。
見つかった深海魚は、ともに細長く鮮やかな銀色をした「サケガシラ」と「リュウグウノツカイ」。いずれも水深200メートル以上に生息しているとされるが、詳しい生態は不明だ。
美保関町笠浦の「笠浦大敷網漁業」では例年、冬場に数匹上がる程度という。だが今シーズン、週に1度はどちらかが確認されている。13日には、約1メートルのサケガシラ3匹が、沖合約1キロ、水深約30〜40メートルに仕掛けられた定置網に入っていた。
同社の船越佐一さん(68)は「今年は頻度が異常。最近ではもう驚かなくなった」と話す。別の漁師は「食べようとしたが、水分が多すぎる。煮ても焼いても食欲がわかなかった」と苦笑いする。
県水産技術センターによると、日本海周辺は1980年代後半から暖冬が続き、00年ごろからは夏の暑さも厳しくなった。しかし昨春から冷たい水の層が海岸に近くなり、この冬の訪れも早かった。近年と比べ、水温がやや低い状況が続いている。
センターの村山達朗・漁業生産部長は「日本海は天候の影響を受けやすく、低水温が深海魚の捕獲に影響している可能性がある」と話す。
また、宍道湖自然館ゴビウスの担当者も水温との関連を指摘した上で、「海が荒れると、深海魚の見つかるケースがある。今季は天候が不順で、網に入った可能性がある」と話す。一方、地震が起きるとの言い伝えについては「科学的根拠がないので分からない」と言う。
全国的にも各地で深海魚が見つかっている。昨年7、8月には高知県の室戸岬沖でサケガシラなど約80匹が定置網で捕獲された。今年に入ってからも、深海に住む「ダイオウイカ」が鳥取、富山などの日本海沿岸で相次いで発見された。【長宗拓弥】
以上引用終わり。
ともかく、深海魚の生態は分かっていないのだ。だから、海水温低下が原因である可能性がないとは言わないが、それが本当かどうかは分からない。はっきりしているのは深海魚が見つかる頻度が相当に多くになっていることであり、これ自体が今までとは深海の様子が変化しているという意味であり、その原因として地殻の異常、海底からの熱水の噴出などがあり得るはずだ。
311で日本列島は相当に大きな地殻変動を受けている。または、2004年のスマトラ島沖地震以来、地球規模でM8以上の超大規模地震の頻発期に入っていると言ってもいいはずであり、日本は原発再稼働の話をするのではなくて、どうやって廃炉にするのか、つまり、原子炉圧力容器内やプールで燃料を水冷するのではなく、乾式キャスクでの保管にどうやって移行するのかを話題にするべきではないだろうか。
以下は参考リンク:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B1%E3%82%AC%E3%82%B7%E3%83%A9
サケガシラ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%82%AB
ダイオウイカ