政治的に隠されているケネディ大使
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★「天木直人氏の視点ー(2014/01/17)」★ :本音言いまっせー
姿が見えないと思っていたら再びケネディ大使の姿が報道されるようになった。
ケネディ大使は16日警視庁の西村警視総監を表敬訪問し、自身や米国大使館の警備にあたる警察官への感謝の気持ちを伝えたという。
「こんにちわ」と日本語であいさつし、西村総監は東日本大震災での米国の支援に感謝したという。
これを各紙は写真入りで報道し、テレビはケネディ大使の姿を追う。
ケネディ大使が隠されているというのは間違いだったのか。
そうではない。
友好・親善については姿を見せる。大きく報道される。
それも立派な大使の仕事だ。
しかし政治的に微妙で困難な事を日本に伝えることもまた大使の重要な仕事だ。
そしてまさしくこの活動においてケネディ大使は隠されているのである。
警視庁を訪れたその同じ日の1月16日にケネディ大使は甘利経済再生相を訪れている。
しかしこれを報じるメディアはほとんどない。
1月17日の読売新聞が一段の小さな記事で報じている。
TPP交渉の早期妥結に向けて日米で協力していく事で一致したと。
これに先立つ1月15日、ケネディ大使は林芳正農水大臣と会談している。
それを1月16日の日経がこれまた一段の小さな記事で報じていた。
ケネディ大使は大詰めを迎えるTPP交渉を念頭に「日米両国で緊密な連携をしたい」と伝えたと。
昨年末の12月19日の日経は、これもまた一段の小さな記事で報じていた。
山口那津男公明党代表と会談し、「(TPPは)オバマ政権の優先度が高い課題だ。
合意に向けて米国としてしっかり取り組みたい」と協力を求めたと。
これを要するにケネディ大使の重要な政治的動は隠されている。
報じられても小さく、しかもその内容が脚色されている。
協力して欲しいと書けば耳触りはいいが、その実は譲歩しろ、農産品の完全自由化を認めろというメッセージなのである。
オバマ大統領は1月14日に開いた初閣議で、「今年は行動の年だ」と重要政策の実現に強い決意を表明したという。
TPPがその一つであることは間違いない。
ケネディ大使はTPP交渉で米国は日本に譲歩を迫るからそのつもりで対応してくれというオバマ大統領のメッセージを安倍政権に伝えているのである。
要するにケネディ大使の重要な政治的活動は隠されているのだ。
そのような日米関係は不自然であり、うまくいかない。