靖国参拝強行と辺野古移転決行の裏をつなぐ一本の巨大な棍棒
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★「天木直人氏の視点ー(2013/12/28)」★ :本音言いまっせー
してやられたと思った。
安倍首相の靖国参拝のことではない。
安倍首相の辺野古移転決定のことではない。
靖国参拝の直後に辺野古移転の決定が行なわれたことだ。
辺野古移転の決定の直前に靖国参拝が強行されたことだ。
これは周到に練られた戦略であったに違いない。
この二つの言語道断の暴挙は、その一つ一つが単独で行なわれたなら、その反発はもっと大きかったに違いない。
しかし相前後して同時に行なわれたらどうか。
どちらを責めたらいいか分からない。
どちらに腹を立てたらいいかわからない。
ただあきれ果てて呆然とするほかはない。
その裏にあるのが米国の存在だ。
日米同盟だけは揺るがさない、揺るがせさせないという巨大な棍棒である。
靖国参拝で米国との関係を損ねた安倍首相は、辺野古移転に決着をつけたことで米国の期待に見事に答えた形になった。
失望したと声明を出した米国は、辺野古では感謝した。
賢明な読者なら私が何を言おうとしているかもうお分かりだろう。
我々はまんまと騙されたのだ。
安倍靖国参拝に目を奪われている隙に、もっと深刻な米国基地の固定化という決定をあっさり認めさせられたということだ。
安倍首相が米国を失望させたという事ばかりに目を奪われて、米国が安倍首相の為にほくそ笑んでいるという事実から目をそらされたのだ。
きょうの朝日新聞の報道振りを見て私はつくづくそう思った。
朝日はどの新聞よりも大きく、詳しく、米国が安倍首相の靖国参拝に失望したと書きたてている。
わざわざシーラ・スミス米外交問題評議会上級研究員の言葉を大きく引用し、米国はもはや日本を擁護することは難しいなどと言わせている。
しかし決して日本との同盟関係が危うくなるとは書かない。
その一方で普天間基地の辺野古移転については朝日は何と書いているのか。
その社説で怒ってみせる。沖縄差別だと言う。
しかしその社説で本当に言いたい事は、だからこそ沖縄の負担を国民皆で分かち合うべきだという事だ。
すなわち日本の沖縄化である。
日本全体で米国の基地負担を受け止め、日米同盟をより強固なものにせよというメッセージである。
安倍首相の靖国参拝をめぐっては、どの報道も、安倍首相は中国や韓国が批判を高めるのは織り込み済みだが米国の失望は誤算だったと報じている。
本当だろうか。とてもそうは思えない。
そこまで安倍首相も、外務官僚もバカとは思えない。
しかしもしそれが本当なら、それはそれで米国にとっては好都合なのだ。
朝日はことさらに米国の不信と怒りを書きたてる事によって、安倍首相と外務省に圧力をかけているのだ。
日米同盟をこれ以上損なわないように、これからは米国の言う事は何でも聞けと。そうすれば安倍政権は安泰であると。
何よりも朝日は日本国民を誘導しているのだ。
日米関係を悪化させることは日本のためにならないと。
この米国のメッセージを谷内氏は朝日を通じて知っている。
安倍首相が靖国参拝をした事は仕方がない。
今後の外交課題はもっぱらその誤解を解くためのダメージコントロールだと皆が言い始めている。
書き立てている。
もちろんそれは米国との関係修復である。
中国や韓国との関係修復も米国に委ねるということだ。
どうやら我々は一杯食わされた。
安倍政権は米国の手によって長続きするかもしれない。
その代償として日本はどんどんと米国への従属化が進んで行くということだ。
安倍政権を倒すのはやはり国民しかない。
そしてその国民がどんどんと弱体化、分裂化させられようとしているのである。
安倍政権はこれからも続くかもしれない。
しかしそうさせてはならない。
日米同盟という巨大な棍棒で殴り殺されるわけにはいかない。
私は来年も安倍政権の誤りと危険さについて書き続けて行く。
メディアの欺瞞を見抜いていく。