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2013/11/16 晴耕雨読
https://twitter.com/levinassien
電話取材で「小泉元首相の脱原発発言をどう思うか?」アンケート。
小泉さんがフィンランドに行ってそこで放射性物質処理の難しさを知って反原発に転じたというストーリーを本気にしているジャーナリストがいるとしたら、よほどナイーブな方でしょうとお答えしました。
フィンランドに行くまで放射性物質の処理の技術的困難さについて「知らなかった」政治家が日本の原子力行政のトップにいたという話を信じる人がいることが僕には信じられません。
彼は「複雑な問題を単純な問題に還元する」政治技術の達人です。
そのことをみんなもう忘れちゃったのかな。
かつては靖国神社公式参拝の有無に外交問題を縮減して「首相が靖国に行くかゆかないかを世界中が固唾を呑んで見守る」という特権的状況を作り出しました。
その次は日本社会のすべてのシステム不調を「郵政民営化されていないからだ」というシングルイシューに還元して選挙に圧勝しました。
複雑な政治的ファクターをわかりやすいシングルイシューにとりまとめて、それを仕上げて「すべては解決した」と言い切って、ほんとうの問題から国民の目をそらせるように仕向ける技術において、小泉さんは天才です。
たいしたものです。
今だってすべてのメディアが手のひらで転がされている。
今の問題は「最終処理場があるのか、ないのか」だけに縮減されました。
「ない」なら原発を止める、はい、おしまい。
それまでの原子力行政のすべての失態と犯罪的行為についてはさらりとスルー。
「処理場がある」なら原発再稼働を阻害する理由は何もない、という話になります。
安倍自民党のアイディアは、小泉反原発をレバレッジにして原発問題を「ゴミ捨て場の有無」に縮減し、「捨てる場はある、だから原発再稼働に問題はない」という結論に世論を誘導することだと僕には思えます。
どこにあるのかって?安倍さんが「完全にブロック」したがっているあそこですよ。