●Postal Service defaults on $5.6 billion payment
The U.S. Postal Service has defaulted on a $5.6 billion payment for retiree health benefits that was due on Monday, just as the Postmaster General had warned it would.
"We have not made the required $5.6 billion Retiree Health Benefits prefunding payment due Sept. 30, 2013," wrote USPS spokeswomen Patricia Licata in an email to CNNMoney. She added that the default has absolutely nothing to do with the federal government shutdown. "We have been saying for several months that we will be defaulting on this payment. This is the third time we have [done so]," Licata wrote.
Postmaster General Patrick Donahue told the Senate Committee on Homeland Security and Government Affairs that the default was going to happen on Sept. 19.
At the time, he said the Postal Service was "in the midst of a financial disaster" and that it is "burdened by an outdated and inflexible business model" that prevents it from making payments.
(要訳)
アメリカ郵政公社(郵便局)は、政府からの資金援助が得られない場合、
今月の支払55億ドル(約4,000億円)の資金繰りがつかず、事実上デフォルトする模様だ。
◆6月末で195億ドル(約1.5兆円)の債務超過
Postal Serviceは公社と訳したものの、政府の一機関と言うのが正確なところだ。
米国では政府機関であるPostal Serviceも民間上場企業と同じように10K、10Qを提出している。
6月末までの第3四半期累計の10Qを見て見よう。
売上高 498億ドル
営業損益 55億ドルの損失
第3四半期累計で55億ドルの営業赤字とは、すさまじい規模の損失である。
B/Sに読み進むと、
政府の出資分 31億ドル
累積損失 226億ドル
ネットで195億ドルの債務超過になっている。
◆大きな赤字の原因は売上の8割に上る人件費
大きな債務超過、どこから来たものだろう。
NY Times の分析では、公社は売上とコスト両側から締め上げられてきたという。
インターネットの発達で郵便物は減少する中、人件費は高止まっていた。
労働組合との解雇禁止協定がコスト高を招き、売上高に占める人件費は80%にも上った。
競合するUPSは53%、FedExは32%なのにである。
健康保険でも、他の連邦職員より手厚い恩恵を受けてきた。
◆長官らは赤字削減に努力するも、手かせ足かせが多すぎる
NY Timesの記事の中で、ある年金アクチュアリが、公社が年金基金に600億ドルほど(約4.6兆円)過払いしていると言っているとある。
もしも本当ならば、すごい計算違いだし、それを取り戻すことで問題は一気に解決、お釣りまで来る。
しかし、オバマ政権の調べでは過払いがあるかどうか疑わしいらしい。
いずれにせよ、年金に小額の過払いがあったとしても、それを取り戻すことはストックの解決でしかない。
フローでは赤字を垂れ流し続けることになる。
この数週間、ドナヒュー長官は大鉈をふるおうとしてきた。
・土曜日の配達の停止
・郵便局など3,700か所の閉鎖
・自然減10万人に加え、12万人のレイオフ
このような案の実行のためには、議院の委員会の承認が必要だったり、組合との合意が必要だったりだ。
特にレイオフは現行の協定を撤回することが必要だが、当然ながら組合は対決姿勢を見せている。
◆政争の具となり解決の糸口が見えず
先に、米国郵政公社は公社というより政府そのものであると述べた。
これが問題をより難しくする。
米国政府の債務制限はなんとかその場しのぎの回避をしたが、本質的な解決は見えないままだ。
この公社の問題は、まさにその債務制限と一体のものなのだ。
上位方針である債務制限に解決が図られないから、個別の問題である郵政公社にも解決策が見込めない。
また、Postal Serviceは政府機関であるがゆえにオペレーションに制約が加えられてきた。
民業の圧迫となるような兼業は厳しく制限されてきた。
トップラインの減衰を多角化などでしのぐことが許されていないのである。
◆日本はどうか?
郵便事業株式会社の2011年3月期決算を見て見ると
売上高 1.7兆円
営業損益 1,034億円の赤字
いずこも同じ風景だ。
B/Sの風景はだいぶ違う。
資本金+資本剰余金 2,000億円
繰越損失 84億円
株主資本は1,915億円のプラスである。
人件費については
売上原価1兆7831億円のうち1兆1275億円
販管費1,002億円のうち352億円
この合計額は売上高の65%に上る。
米国郵政公社ほど悪くはないが、UPSやFedExほどはよくないわけだ。
人件費負担が重いことに呼応して、B/Sでは1.6兆円の総負債のうち1.0兆円は退職給付引当金である。
ただし、日本の場合は米国郵政公社とは大きく異なる面がある。
日本の場合、郵便事業株式会社の兄弟会社として郵便局株式会社が存在する。
こちらは黒字決算の優良事業であり、それを一緒に考える必要もあるだろう。
NY Times記事は最後に米国郵便事業者協会のローランド会長の言葉を紹介している。
この問題は米国における最も古い機関にかかわるものだ。
郵便は電報の出現でも生き残り、電話の出現でも生き残った。
ありとあらゆる手段で郵便を維持し、(環境変化に)適用させることが必要だとコメントした。
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/807.html