JR北海道のレール異常報道について
何となく今回の報道について違和感があるので、何がおかしいのか、それを考えてみました。
多分、一番欠けているのは、レール幅が許容量を超えて広がるということがどの程度の頻度で起こり、JRの他の会社ではどのぐらいの頻度でその点検や修理をしているのかと言うこと。
8カ月程度で5mm程度広がっている事例が報道されていたが、レール幅の広がりはどの程度電車が通過しているかにもよるはずで、首都圏なら相当頻繁にレール幅の点検と修理をしていなければいけないがそういったことをやっていたようにあまり思えない。まあ、夜中にやっていたのだろう。ともかく、例えばJR九州ではどの程度の頻度で点検や修理をしていて、そのコストはどのくらいかと言う比較対象するものがあるべきだと思う。
次に、国鉄の職員組合のことが報道されていたが、それがどうレール異常と関連するのかもよく分からない。何となく印象としては労働組合員が過重労働だと言って仕事をサボることが原因だと印象付けたいという感じがするが、今のJRでそういったことが起こっているとはとても思えない。従業員はどこも経営が大変だということは分かっているからだ。まあ、JR東海のように自力でリニア新幹線を通すと言っているところもあるから景気のいいところもあるのかも知れないが、九州や北海道の経営は決して楽ではない。つまり、組合叩きであるにしても、組合が何らかの形で経営の邪魔をしているような事態がそもそもあるとは思えない。
最後は分割民営化前の基準をそのままレール幅の点検に使っていたという話し。これも非常に不思議なことだ。次の阿修羅掲示板の記事のコメントにレール幅の遊び(余裕)がなぜ必要かの理由が説明されている。
機関車が重かった時代の基準で点検…JR北海道(読売新聞)
http://www.asyura2.com/13/hasan82/msg/642.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 9 月 25 日 14:22:18: AtMSjtXKW4rJY
要するにカーブの半径に従って線路幅の余裕の程度が異なるのだ。もう一つの要素は機関車の近代化が進んでいたかどうかで、北海道は分割民営化時ではまだ機関車の近代化があまりできていなかったから分割民営化前の古い基準を使っていたはずだ。そして、古い機関車と新しい機関車が並行して使われてきた期間も相当あったと思う。ひょっとしたら今でも古い形式の機関車が使われているのではと感じるが、どちらにしても、北海道全体で線路幅の補修基準を一気に改訂するためには、道内の機関車がすべて新しいものに置き換わっていなければならない。そして、多分そんなことはないから、今でも古い基準を使っていていいというか、当然であるような感じがする。
国鉄民営化は1987年で、その時に線路幅の補修基準を変えたということ自体が、たとえJR東日本であっても機関車全部が新しいものに置き換わっていたわけではないだろうからあり得ないと思う。
それでも現実問題として北海道で脱線事故が続いているが、この原因がどうもよく分からない。線路幅が脱線の原因の一つになり得るのは確かなのだろうが、そうであれば、新しい機関車や客車を導入したタイミングで起こるはずではと思う。説明と事故とが何か食い違っていると思う。
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/141.html