【カイロ=山尾有紀恵】イスラエルが、事実上の同盟関係にある米国と、敵対するイランの関係改善に焦りを募らせている。26日の米イラン外相会談に続き、27日にはオバマ米大統領とイランのロハニ大統領の首脳対話が実現。「イランの甘い言葉にだまされるな」と訴えている。
「予想通り、偽善に満ちた嘲笑的な演説だった」。イスラエルのネタニヤフ首相は25日、ロハニ師が米国などとの対話に前向きな姿勢を示した国連総会の演説をこう評した。「人権を訴えながら、罪のないシリア国民の虐殺に関与している。テロを非難しながら、世界中でテロを行っている」とも指摘。イランが核開発をめぐり譲歩する姿勢を見せているのは「核兵器を獲得するための時間稼ぎだ」と断じた。
エルダン民間防衛相は27日のイスラエル軍放送のインタビューで、「ロハニ師の温和な顔や美辞麗句が米国民に向けられている間に、見えないところで(ウラン濃縮の)遠心分離器が回り続けている」と述べ、ロハニ師との対話路線に傾倒する欧米諸国に懸念を示した。
イランが北朝鮮のように原子力の平和利用を主張しつつ核兵器を獲得すると警戒するイスラエルは、オバマ政権にイランへの圧力を強めるよう求めてきた。だが、オバマ大統領は外交的解決を優先。ネタニヤフ首相は、30日に予定されるオバマ大統領との会談や10月1日の国連総会の演説で、「ロハニ師の穏健派のイメージを利用したイランの策略に陥るな」と訴える方針だ。
一方、イランはしたたかな動きを見せる。ロハニ師は米メディアの取材に積極的に応じ、イランに核兵器獲得の意思はないとアピール。24日の米CNNのインタビューでは、「ユダヤ人に対するナチスの犯罪を含む人道に反する罪は非難されるべきだ」と語り、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の歴史を認めた。アフマディネジャド前イラン大統領はホロコーストを作り話だと否定し、「イスラエルは地図から消し去られるべきだ」などと発言。対照的な姿勢をのぞかせる。
また、国連総会の核不拡散会合で演説したロハニ師は、事実上の核保有国であることを隠し続けるイスラエルに対して「地域で唯一、核不拡散条約(NPT)に加盟していない。ただちに加盟すべきだ」と主張。中東地域や世界の非核化を唱え、自らの核開発を棚に上げてイランを批判するイスラエルの姿勢に疑問を呈した。
米国とイランの関係改善を苦々しく見守るのは、サウジアラビアなど親米のイスラム教スンニ派の湾岸産油国も同じだ。イスラム教シーア派を国教とするイランは、シーア派を異端視する湾岸諸国と対立関係にある。シリアの内戦でも、両者はシーア派系のアサド政権を支援するイランと、スンニ派が中心の反体制派を支援する湾岸諸国に割れている。
ロハニ師は、サウジアラビアなどとの関係修復に前向きな姿勢を示しているが、両者の確執は根深い。サウジアラビアの地元紙は米国とイランの接近について、アラブが今後代償を払わねばならない「政治的な浮気」と論評している。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201309280192.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201309280192
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イスラエルはイランと米国の関係改善を阻もうとして謀略をしかけてくる可能性がある。イスラエルという国はそういう国だ。イランはイスラエルのワナに気をつける必要がある。
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/810.html