東電福島原発、甘い汚染水対策 堰越す大雨「年1回」と推計(共同) 台風シーズンに無防備状態を露呈
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9月 27th, 2013 Finance GreenWatch
東京電力は、福島第一原発の処理水タンクの周りに設けた漏水防止用の堰(せき)が雨であふれる可能性は年に一回程度と甘く見積もっていた。堰内にたまった雨水に含まれる放射性物質が、どの程度なら外に流していいのか、具体的な基準も決まっていない。既に台風シーズンを迎えたのに、対策はまた後手に回っている。 (大野孝志)
八月のタンクの水漏れ事故後、東電の担当者は、原子力規制委員会の作業部会で、雨水が堰を越える雨量は一二〇ミリで、それ以上の雨量は二〇一二年度に一回だけだったと説明した。
ところが、今月十五日の台風18号で、高さわずか三十センチの堰内はあっという間に雨水がたまった。翌日もあふれそうになり、七カ所の堰の弁を開けて雨水を排出した。
この際は、台風が来ると事前に分かっていたため、入念に準備。雨水の汚染度を簡易測定し、法律で放出が認められる濃度を超える水はタンクにため、それ以外は外に流し、何とか乗り切った。
ただし、汚染度を測定するには、いったんタンクに雨水をためるが、これに時間がかかることが判明。
二十五日の記者会見で、福島第一の小野明所長は「ゲリラ豪雨のような雨になると、水位がどんと上がる。緊急避難が必要な時は、前回のように測定、タンクにためている暇はない。臨機応変に対応する必要がある」と、規制委と新ルールを協議していることを明らかにした。
東電は堰のかさ上げも検討しているが、タンク周辺の配管を移す必要があり、工事には時間がかかる。「想定外」の大雨が降れば、漏れた処理水で汚れた雨水が外洋に流れ出す恐れがある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092702000148.html
2013年9月27日 東京新聞 朝刊