報道では何も分からないTPP交渉の現状
http://blogs.yahoo.co.jp/hellotomhanks/64181241.html
★「天木直人氏の視点ー(2013/09/23)★ :本音言いまっせー!
TPPの首席交渉官会合が9月21日に終ったらしい。
そこでどのような話し合いが行われ、何が決まったのか、決まら
なかったのか。
メディアを見るかぎり何もわからない。
鶴岡代表は10月に開かれる首脳会議で年内妥結の大筋合意を目指す
と言うが、年内妥結は困難になったと書く報道は多い。
日本が最重要視していた農産品の自由化問題は脇に追いやられ、
「知的財産」、「国有企業」、「環境」などが難航する問題になりつつ
あるという。
焦っているのは中間選挙を来年に控えた米国だけで、その他の国は
急ぐ理由などないのが現状だという。
そして肝心の米国ではオバマ大統領の指導力が揺らいでいる。
自由化をめぐる対立は米国内の産業界にもあり、オバマ大統領の
指導力にかげりが出てきたのではないかという報道もある。
なぜTPP報道は本当のところを何も教えてくれないのか。
そんな日本のメディアの報道振りについて痛烈な皮肉を浴びせた記事
が9月22日の産経新聞に掲載されていた。
すなわち日本が交渉相手に参加するようになって日本の報道陣が急増
した。7月末のマレーシア会合では半分以上が日本の報道陣であり、
8月のブルネイ会合では全体の9割が日本の報道関係者だったという。
それだけの報道陣を送り込める日本のメディアは予算に余裕があると
いうことだ。
しかしそれだけ多くの報道陣を送り込んでも、TPP交渉の実態を
教えてくれるものは皆無に近い。
いかに日本の報道陣の取材力がお粗末であるかということだ。
日本政府からのお下がり情報に安住し、独自の調査報道の力量がないか
である。
私は、TPP問題は安倍首相が参加表明をした時点でとっくに終った
と書いた。
日本が注目すべきは米国との二国間協議の行方である。
日本の国益が失われるのはTPPではない。
いまも昔も日米二国間経済交渉なのである。
TPP交渉についてはもはや報道を見なくてもいいと思っている。