http://www.kakehashi.or.jp/?p=9088
9月 14th, 2013 · No Comments
「アニメ‥クダサイ」保養に来た、ベラルーシの子供たちが、なんとか覚えた日本語を駆使して、直訴してきた。
子供の発想の豊かなことよ。
彼の映画の建物や工作物の一つひとつの手作り感、その美しさ、まるっぽいフォルム、全部が、夢の世界。
でも、現実にベラルーシに行けば感じる。
宮崎駿のアニメに出てくる工場とか飛行機のさびた感じが、旧ソ連の工場にもよくあって、里親訪問のときに、「ね、ここの工場なんて、宮崎アニメみたいな感じだよね〜」なんて、日本人は言っていた。
明日は福島のとある団体のお招きを受けて話させていただくことになり、飛行機の関係で予定より早く福島についたので、あ、っと思って、「風立ちぬ」を見ました。
このときじゃないと。
なんか急に、あわてて、映画館にかけこんだらちょうど始まるところでした。
静かな映画でした。
関東大震災から、たぶん、これからおこる、銀行の取り付け騒ぎ、大不況。
そして、治安維持法、戦争。病気。
今とまるで生き写し。
あの時代、日本が戦争するという運命を飛行機の設計士の彼らの手で変えることができるわけもなく、
日本が勝ち目もないのに、それでも勝つためには、ない資材の中で一機でも多くの飛行機をつくって、対抗するしかない。
それがせめてもの主人公に残された仕事。
美しさの中に答えがあったのかもしれません。
大正から昭和初期にかけての、建築物や人々の着物や洋服にいたるまで、美しく見えるのはなぜなんだろう。
人々の所作の美しさ。日本の美しい自然。
戦争と原発をつくる精神が全部を醜くする。
やりたくない仕事をやらされているすべての人々へ。
子供のころ、思い描いた役割が、そのすべてが、理想からかけはなれていく。
母親なのに汚染物質を子供の口に入れさせたり、
教師なのに学校で子供を被ばくさせるのに迎合したり
医者なのに患者の異変に気付かないふりをしたり
表面的なお笑いでみなを考えさせないように導くお笑い芸人とか
ニュースを伝えないニュース番組とか
復興できないのに復興庁とか
家族を守るために働いているのに、批判されている夫とか。
それでも、国民はせいいっぱいやるしかないと思っている。
みんな堀越二郎なんだよ。
そこで生きるしかなく、その運命に翻弄されて、
あらがうすべもなく、
時代に流されて
愛する人を失っても
それでも
「生きなさい」と宮崎駿は
次世代へメッセージを送った。
生き抜いて、答えを出せ!
ただ、命を長らえるのじゃない。
次の時代に真実を伝える生き方をつかみとって。
あの映画を見たら、国民が真珠湾戦争に突入するまで知らなかったのに
したたかに戦争準備に入っていた「日本の中枢」が見える。
企業の名前もしっかり刻まれている。
軍隊の鼻息のあらさも。
「1週間でアメリカに勝てれば、勝てるけれど、勝てなければそのときは‥」と山本五十六は戦争したがる軍隊に押されてふしょうぶしょう真珠湾攻撃を認めたという。
「完全ブロック技」も完成していないのに、世界にできていると嘘をついて、2020年にはまったく問題ないと。
できなかったときのことを考えたら普通は辞退でしょ。
原発のトイレもないのに、とりあえず稼働させたり。
計画性も、論理性も、夢も、なんにもない。
あまりに無責任な、思考力のない政府に愕然とする。
福島の人も、関東の人も、片道覚悟の飛行機に乗せられるパイロット。
国策だからと原発の中で働く労働者や電力会社の社員もみな、同じ。
まさに、「今」と生き写し。
私たちは、生きるために生まれた。
生きろ、生きろ、生きろ!
誰に気兼ねすることもなく、私は生きたい!
誰にも殺されたくないし、殺したくない。
福島だから、わかる。
がたいの大きなお兄さんも涙をぬぐいながら出ていった。
明るい廊下やエレベータに出られない。
涙がしとしと出てくる。
子供を連れて逃げて、精神的ないしつぶてを受けるお母さんたちにもわかる。
呑み込まなければいけないことが多すぎる。
国民は何も知らない間にいろんなことが準備されている。
みんなで、生き残ろうね。たとえ、愛する人を失おうとも。
それが私たちの運命なら生き残って、社会を変えていけ。
オスプレイ、無人機、美しくない飛行機たちよ、はたしてお前は人間につくられたのか。
あふれる資源の中で、本当に国を守ろうとしているのか。
血も涙も通わないその飛行機。
日本も武器輸出三原則が実質的に解除されている。
風の谷のナウシカから始まって、すべて宮崎駿の予言通りじゃないか‥‥。
彼はもうファンタジーの時代じゃないと言ったけれど、チェルノブイリの子供たちが「トトロ」を見て、どんなに笑顔になっていたか、
監督に感謝の気持ちでいっぱいだ。
今でもその幸せの時間を思い出す。
秘密保全法パブリックコメント短すぎ>>
9月17日まで意見を!>>
秘密保全法、2011年に一回出されています。
今回は国会がねじれていないので、そのまま成立する可能性。
これが通れば、福島の汚染を隠して、首相の嘘を隠しおおせることができます。
よくもまあ、こんな憲法違反のことを考え付くものだ。
化け物たちは。
「風立ちぬ」を見て、いちばん、肝が冷えたのは、昔と今の戦争犯罪人である人たち。
ええ、政府の中にどちらも存在しています。
http://www.asyura2.com/12/idletalk40/msg/589.html