【ウィーン樋口直樹】16日から開催される国際原子力機関(IAEA)の年次総会に、アラブ諸国がイスラエルの核能力を批判する決議案を提出することが6日、分かった。エジプトのハレド・シャマアIAEA大使が毎日新聞のインタビューで明らかにした。決議案の提出には、2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で合意された中東非核化国際会議が、予定されていた12年に実現しなかったことへの反発がある。非同盟諸国などにも同調する動きがあり、今総会の焦点になりそうだ。
決議案は、核兵器保有国とみられるイスラエルを批判し、NPTへの加盟やIAEAとの包括的保障措置(核査察)協定の締結を求める。同様の決議案は09年に採択されたが、10年には否決された。11年以降は提出されていない。シャマア氏は「(関係国が)非核化会議に向けどれだけ真剣に行動するかみるために時間を与えたが、真剣な対応がなかったため決議案の提出を決めた」と述べた。
09年の決議案採択以降、米国などはイスラエルを加えた非核化会議実現の障害になるなどとして、決議案に賛成しないようIAEA加盟国に強く働きかけてきた。米欧はイスラエルのみを名指しした今回の決議案にも反対する方針。決議に法的拘束力はないが、政治的な影響力は大きい。
IAEAでは、イスラエルと対立するイランの核兵器開発疑惑が最大の焦点になっているが、シャマア氏は「問題解決には、中東の全ての国が同じ権利と義務を持つ平等なシステムの構築が必要だ」と指摘。イランと同様にイスラエルもNPTに加盟し、IAEAの包括的な核査察を受け入れることで、イランやアラブ諸国に根強い不平等感を解消する必要があると主張した。
イスラエルは自国の核兵器保有について否定も肯定もしていない。IAEAの保障措置が及ぶ範囲は限定的で、核兵器開発に関連するとみられる施設は対象外。NPT加盟の条件として、中東諸国の軍縮や核不拡散の実現による緊張緩和などを挙げている。
http://mainichi.jp/select/news/20130908k0000m030108000c.html
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イスラエルが核兵器を保有していることは周知の事実だが、NPT非加盟であることが許され続けてきた。この異常状態を解消しようとするアラブ連盟による今回の決議案を強く支持する。
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/675.html