イラク戦争とそれに続くアフガンでは数千人の米兵を殺した。「万単位」の兵士を殺すことは国内世論が許さなくなった。死者は数千人であっても、負傷兵は万単位であろう。命を長らえても心的外傷(PTSD)や劣化ウラン弾で多くの帰還兵が塗炭の苦しみを嘗めてきた。
であるからイラク戦争の頃からメディアの取材が厳しく制限・管理されるようになった。ベトナム、イラク、アフガン戦争を経て米国人も大きく目覚めてきた(と思う)。
だからであろうか、米国ではロボット兵士やロボット兵器の開発が盛んに行われるようになった。だが、これらのロボットを将来地上戦に投入して、白兵戦で生身の兵士と渡り合って勝利することは可能であろうか。筆者は不可と考える。
これらロボット群は高価である。故障もする。定期的にメンテも必要だろう。第一途中でエネルギーの補給が必要である。メンテやエネルギー補給の輜重部隊はどうするのか。この輜重部隊が(人間兵士であろうと、ロボット兵士であろうと)、ここを叩かれたらひとたまりもない。
米軍での人権意識は非常に高まっていると考えられる。
田中氏は、「米軍の内部で、シリア空爆に反対する声が強まっている。米軍内は、統合参謀本部長から兵卒までの多くの職位から、シリア空爆は無謀で無益だという考え方が出ている。米国の大統領府や上院が、馬鹿げたシリア空爆を挙行するなら、米軍内で反乱や、何らかのクーデターが起きる可能性すらある」と指摘する。
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/651.html
対して中国はどうか。中国は人口が世界最大で、良く訓練されていると考えられる200万規模の人民解放軍がある。軍隊の人権意識も米国(米軍)に比べれば、数段遅れていると考えられる。世界権力の視点で見れば、中国の兵士はまだ使いやすい。国を造るのは苦手だが国家に寄生するのが真骨頂だとされる世界権力は、次の宿主を米国から中国に乗り換えていく可能性がある(仮説)。
このような視点で田中説(多極主義者の存在)を見ると、なにか見通しが良くなるではないか。新鮮で刺激的である。これらの勢力が、わざと米国の覇権を削ごうとしているのか、無理強いと使役のし過ぎで宿主の体力・知力がどうしようもなく衰えてきているのか、今後の推移が明らかにしてくれるだろう。
【参考書】
@ ユースタス・マリンズ著『衝撃のユダヤ5000年の秘密―ユダヤはなぜ文明に寄生し破壊させたか? 』
A ヴィクター・ソーン著『次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた』
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