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2013/9/4 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
基本給は14カ月マイナス 100万円単位で退職金も減る
きのう(3日)発表された7月の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額の平均は、前年同月比0・4%増の36万2141円と2カ月連続で増加した。が、大半のサラリーマンは実感に乏しいんじゃないか。
それもそのはずで、基本給などの所定内給与は0・4%減の24万2205円。14カ月連続でマイナスだ。
厚生労働省は給与総額増について「円安や景況感の改善で業績が上がって、賞与を増やした企業が多かったため」(統計情報部)と、さも安倍政権の“お手柄”みたいな口ぶりだが、だまされてはいけない。
確かに、ボーナスなど特別に支払われた給与は2・1%増の10万1184円だが、業種に偏りがある。大きく伸びたのは金融・保険業(17・8%増)と建設業(12・1%増)だ。
「一過性の安倍バブルでおいしい思いをしている業種に限られています。残業代など所定外給与も1・9%増の1万8752円ですが、そもそも残業代は、もらって当然のお金です。ブラック企業に対する風当たりが強くなってきて、払われなかった残業代が払われるようになっただけ。給料が増えたことにはなりません」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)
それでなくても、円安と原材料価格の上昇で、今月から食品メーカーの値上げラッシュが始まっている。現金給与総額がほんのちょっと上がったところで、家計に降りかかる火の粉は消せやしない。
社会保険労務士の稲毛由佳氏もこう言う。
「所定外給与は変動するもので、それこそボーナスはゼロになる恐れまであります。現金給与総額が増えても、安定収入である基本給が伸び悩んでいる限り、生活不安はなくならないし、生活設計も立てられません。それに、基本給をベースに退職金をはじき出している企業はまだ多い。基本給が上がらないと、将来的には、100万円単位で退職金が違ってくることもあり得ますよ」
2カ月連続増加なんて言葉だけに踊らされていると、痛い目に遭う。