房総半島東側で巨大地震可能性 専門家調査
動画⇒http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130901/k10014200631000.html
9月1日 19時31分 NHK
関東大震災を引き起こした巨大地震は、神奈川県から房総半島の西を震源域として発生しましたが、最新の研究で、房総半島の東側でマグニチュード8クラスの巨大な地震が起きる可能性があることが分かり、専門家が調査を進めています。
関東南部の地下は、フィリピン海プレートと呼ばれる海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。
2つのプレートの境目では、神奈川県から房総半島の西に当たる領域を震源域として、90年前に関東大震災を引き起こした巨大地震が発生しました。
さらにおよそ300年前には、神奈川県から房総半島の東の沖合にかけての領域を震源域として巨大地震が発生するなど、マグニチュード8クラスの地震が繰り返されてきました。
房総半島では、地震の際、地面が大きく隆起することが分かっていて、地質調査の結果から、地震が起きる間隔、周期は最短で200年程度とされてきました。
ところが、最近の地質調査で、隆起してできた地面のうち、これまで知られていない年代のものが房総半島の東側で見つかりました。
このため、産業技術総合研究所の宍倉正展チーム長は、房総半島の東側ではこれまで知られていない巨大地震が起きていた可能性があると指摘しています。
宍倉さんは「関東では未知のタイプの地震が起きていた可能性がある。首都のすぐ近くで巨大地震が起きるかもしれないと考えておく必要がある」と話しています。
房総半島の東側では、GPSによる地面の観測データから、地震が起こりやすくなっている可能性を示す研究結果もあり、宍倉さんたちの研究グループでは、ボーリング調査を行って、地震が起きる間隔などを調べることにしています。
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関東大震災90年 さまざまな災害が判明
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130901/k10014200621000.html
9月1日 19時31分 NHK
9月1日は、10万5000人余りが犠牲になった関東大震災から90年になります。
激しい揺れによる建物の倒壊や火災、土砂災害に加え、津波、液状化など、さまざまな災害が起きていたことが当時の映像から明らかになりました。
関東大震災は、今から90年前の大正12年9月1日に発生しました。
神奈川県を中心に、東京や千葉県でも木造住宅が全壊しました。
横浜市では、鉄筋コンクリート造りの建物も被害を受けました。
鎌倉市では、鶴岡八幡宮など歴史ある神社や仏閣が倒壊し、重さ121トンもある大仏が30センチ前にせり出しました。
専門家の分析の結果、揺れの強さは、神奈川県を中心に、阪神・淡路大震災と同じ震度7の激しい揺れに相当するということです。
このほか、当時の映像からは津波の被害も確認されました。
神奈川県や静岡県の伊豆半島などを中心に、高さ10メートル近くの津波に襲われました。
山間部を中心に土砂災害も相次ぎ、現在の神奈川県小田原市根府川では、駅に止まっていた列車が地すべりでホームごと海に流され、200人以上が死亡しました。
横浜市の湾岸部などでは液状化現象も起きていました。
死者・行方不明者は10万5000人余りに上りました。
このうち9割の命を奪った火災の被害の様子も、映像に残されていました。
東京や横浜で火災が同時多発的に発生し、現在の東京23区の東部を中心に130か所以上で出火し、旧東京市ではおよそ4割の地域が焼失しました。
火災の犠牲者が最も多かったのは、現在の東京・墨田区にあった「被服廠跡」と呼ばれる広場で、避難していたおよそ4万人のうち3万8000人が死亡しました。
関東大震災ではさまざまな災害が起きていたことが、当時の映像から明らかになりました。