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2013/8/27 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
2020年夏季五輪の招致を目指す決起集会が23日、東京都庁で催された。ブエノスアイレスで開かれるIOC(国際オリンピック委員会)総会での開催都市決定を目前に控えて、最後の詰めに入る出陣式だった由。
約800人が参加した。安倍晋三首相や経団連の米倉弘昌会長までが加わって、気勢を上げたという。今回は2人の皇族女性が現地でIOC委員に面談するとかで、挙国一致のイメージがことのほか強調されている。
ああ、つくづく嫌だ。やかましい。うるさい。うっとうしい。
何がオリンピックだ。そんなものを招く資格が、いったいぜんたい、現代のこの国のどこにある。
決起集会の様子が載った新聞の第1面には、福島の海の放射能汚染がすさまじく拡大している現実が報じられていた。あの原発事故は、野田佳彦政権による収束宣言などとは何らの関係もなく、2年半を経てもなお、取り返しのつかない害毒をまき散らかし続けている。
にもかかわらず安倍政権は、原発を中核とするインフラシステム輸出を成長戦略の目玉とし、首相自ら社長連中を引き連れて官民一体のセールス行脚。日本製の原発が、いずれ世界のあちこちで次々に爆発していかない保証はまるでない。
被災地の復興? バカも休み休み言ってくれ。五輪で潤うのは政権与党と中央のゼネコン、それに大手のマスコミだけだ。
日本は今、世界に向かって頭(こうべ)を垂れなければならない時ではないのか。それは確かに、何かといえば戦争だ戦争だとわめきたて、国威発揚のための五輪招致と公言して憚らなかった前都知事は、すでに過去の人になってくれている。2016年大会を招致せんとした前回のように、ウソやデタラメだらけの開催計画でもないようだ。世論調査の支持率が高まったゆえんである。
だが、それでも、招致活動などやめるべきだ。恥を恥としてわきまえ、開催都市の決定を前に立候補を取りやめてしまえば、日本のせめて最低限の品格は保たれる。
2020年大会の頃の東京は、失業者とワーキングプアだらけの街になっていよう。ライバル都市を嘲って、「いがみ合い、階級がある」(猪瀬直樹都知事)などと批判していられる立場ではない。
この期に及んではしゃぎまくっている日本人の姿は醜すぎる。悪ふざけしている写真をツイッターで垂れ流しているコンビニ店員みたいだ。五輪の理念とは最もかけ離れている。