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2013/8/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆冷ややかな霞が関
支持者にも見放された。安倍首相が関心を寄せる集団的自衛権の行使に、自民党支持層もソッポである。共同通信が実施した世論調査で、「行使できないままでよい」が36・1%とトップになったという。憲法解釈の変更で行使容認を目指す安倍の考えは、味方にも届いていないようだ。
「憲法9条は、個別的自衛権まで放棄していない。だから、自衛隊は合憲である。これが自民党の保守本流の考えでした。彼らは、その解釈で60年安保を乗り切り、保守支配を成立、長期政権を築き上げています。自衛権の解釈変更は、自民党の歴史も否定することになる。そこに危うさを感じる支持者は多いのでしょう」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
安倍に立ちはだかる壁は、党支持者からの反発だけではない。官僚も冷ややかだ。
「安倍首相は、厚労省のトップ人事で、郵便不正事件で無罪を勝ち取った村木厚子氏を次官に抜擢しました。順番通りなら厚生省出身者となるはずが、人気取りで覆したのです。その上、法制局長官人事で政治的な意図を包んだ起用に踏み込んだ。前長官が会見で、『解釈変更は難しい』と言ったのは、憲法論だけの問題ではない。慣例を無視して人事に手を突っ込む政権に対し、霞が関を代表して牽制球を投げたのです」(事情通)
連立を組む公明党も、解釈変更に慎重だ。なにせ平和と福祉を掲げる政党である。支持者の説得は難しい。
さらに米国だ。
「アフガニスタンやイラクで戦争をしていたときは、“ショー・ザ・フラッグ”“ブーツ・オン・ザ・グラウンド”と日本にも協力を求めてきていましたが、いまは違う。むしろ、軍国化で中国を刺激されては困る、という立場。米国が日本の集団的自衛権の行使容認に本気で賛成するかは微妙な状況です。安倍首相は、まずは安保法制懇で答申を出させ、内閣としての統一見解をまとめた上で国会で答弁し、法制局長官も合憲だと認めるシナリオを描いているのでしょうが、簡単ではありません」(五十嵐仁氏=前出)
越えなければならない高い壁は4つもある。それをクリアできる体力が、政権にも安倍本人にも、あるのだろうか。