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★「天木直人氏の視点ー(2013/08/12)★ :本音言いまっせー!
日米二国間協議でわかったことは、いくら日本郵政がアフラックの
ガン保険販売の代理店になったとしても、その事で米国政府が
日本郵政への圧力を緩めることはなかったという事である。
だから少なくとも今度の提携は、TPP交渉の為に日本政府と
日本郵便が完全に結託して行なわれたものではなかったということだ。
それでは日本郵政はなぜアフラックとの事業提携に踏み切ったか。
なぜ日本政府はそれを認めたのか。
当時の報道を読み返して見ると一つの事が明確に浮かび上がってくる。
7月31日の読売新聞の社説が、今度の提携について、「企業価値の
向上を占う試金石だ」と題してこう書いていた。
「・・・日本郵政は、政府が持つ日本郵政株を2015年度に上場す
る事を目指している・・・気がかりなのは、日本郵政の事業が縮小傾向
にあることだ。上場の障害になりかねない。かんぽ生命の保有契約件数
は減少が続き、郵便の取り扱い数や、郵貯銀行の残高も民営化前より
大きく目減りした。日本郵政は、住宅ローンなどへの参入で収益向上を
図りたい考えだが、融資審査や内部管理などの体制は依然として
心もとない。長引く低迷から脱却し、目に見える成果をだせるか。
西室体制の経営手腕が問われよう・・・」
なるほど、日本郵政は民営化後の経営が上手く行かなかったのだ。
「これでTPP交渉における米国の圧力を減らせる」、などという
のは、日本のTPP交渉側とメディアが勝手につけた理屈であり、
日本郵政にとっては収益向上につながれば米国保険会社の下請けでも
何でもよかったということだ。
この事は次のような記事からも推測できる。
「・・・甘利明TPP担当大臣は7月25日、記者団に対し、
『日本郵政の経営上の判断だ』と前置きした上で、
『TPPに良い影響を与えてくれれば結構なことだ』と語った・・・』
(7月26日産経)
「・・・日本郵政の西室泰三社長は記者会見で
『がん保険で一番実績のあるアフラックとの関係強化で、企業価値の
向上が望める』と強調した・・・」
どうやら日本郵政は私企業としての将来が危うい状況にあるのだ。
少なくともこのままでは2015年度の上場など困難だという
ことだ。
そしてそれは日本政府としても困った事だったのだ。
日本郵政とアフラックの事業提携の背景には、TPP交渉との関係
とはまったく別の、小泉首相の郵政民営化は何だったのか、という
もう一つの深刻な問題が隠されていたということである。