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2013/8/1 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
こんなデタラメが許されていいのか。「復興のために必要」と新たに集められた税金が、大量に余っていることが31日、明らかになった。残っているカネは特別会計に積み上げるというが、冗談ではない。使わないのなら、国民に返還するのが筋だ。
復興庁によると、使われなかった復興費は3兆4270億円に上るという。計上された予算9兆7402億円の35・2%。昨年度も14兆9243億円のうち、6兆円近くが使われなかった。毎年、大量に余っているのだ。
一方で流用は止まらない。ゆるキャラを使った観光PRやウミガメの保護監視にまで使われていたことが判明。政府も実態調査を進めたが、1兆1570億円の9割はすでに使われていて、取り返せない状態だった。
今年1月から国民は、所得税の2・1%を復興増税分として余計に納めている。法人税も昨年度から追加徴収されているし、来年6月からは住民税も引き上げられる予定。それもこれも復興のためである。たとえ自分たちの生活が苦しくても、被災者の暮らしや被災地の再建を願って、増税を受け入れたのだ。
それなのに、被災者や被災地には使われず、不要不急のところに使われている。だれが考えてもおかしいだろう。
国民が「復興を急ぐべきだ」と声を上げていたとき、財務省は「財源が決まらなければダメだ」と主張した。目の前で血を流している患者に「カネはあるのか」と聞くかのような態度。しかも、なんとかカネをかき集めて治療費を払ったら、今度はほったらかしで処置しない。これはもう詐欺である。混乱に乗じて税金を増やした財務官僚は火事場泥棒と同じ。それに振り回された政治家も同罪である。
◆いつまでもおとなしくしているとトコトン搾られるぞ
根本復興相は、「執行段階で資材不足や人手不足という問題もある」と説明したが、いまさら何を言っているのか。こんなデタラメな事態を招いたのは、明らかに自民党の責任である。
法大教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「安倍政権は、震災復興を最優先に考えず、国土強靱化が必要だとして全国でバラマキを始めました。これが復興を遅らせている元凶です。小泉政権以降の公共事業削減で、建設関連の業者や技術者は減っている。それなのに全国で一斉に仕事を増やせば、資源や人材が足りなくなるのは当たり前。これでは被災地に全力投球ができない。その結果、やるべき事業ができず、予算を消化できなくなったのです。優先順位をつけるのは政治の役割。しっかりとリーダーシップを取り、被災地にエネルギーを集中しなければ、何のために増税をしたのか分からなくなります」
来年4月には消費税も引き上げられる。その増税分だって、何に使われるのか分からない。
日本のサラリーマンはおとなしいが、黙っているとトコトン搾られるだけ。本気で声を上げるべきときだ。